ブログ
マイオブレースの働きと効果とは?使用時の注意点も解説!
こんにちは。福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」です。
お子さまに「きれいな歯並びに成長してほしい」と思う気持ちがある一方で「こどもの負担となるのではないか」と矯正治療に対して抵抗感がある保護者の方もいらっしゃることでしょう。そのような保護者の方とお子さまにおすすめしたいのが、こども向けの矯正方法である「マイオブレース」です。
マイオブレースは、悪くなった歯並びを治すワイヤー矯正のような方法とは異なり、歯並びが悪くなる前に原因を取り除く新しい予防矯正治療です。
今回は、マイオブレースの効果や使用方法について詳しく解説します。お子さまの歯並びにご不安やお悩みがある方は、ぜひ参考にしてください。
マイオブレースとは
マイオブレースの特徴や適した治療時期、メリット、デメリットについてそれぞれ解説します。
マイオブレースの目的
マイオブレースは、乳歯から永久歯に生え変わる時期に、歯並びに悪い影響を与える要因を取り除くことで、永久歯がきれいに並ぶような土台作りを行う予防矯正の方法です。
一般的な矯正の目的はすでに歯並びが悪くなった状態を治すことですが、マイオブレースの場合は、将来歯並びが悪くならないように予防することを目的としています。
歯並びが悪くなる原因とマイオブレース
マイオブレースは、歯並びが悪くなる原因である口腔習癖を改善し、正常な歯と顎の成長を促す矯正方法です。歯並びが悪くなる原因は遺伝的要因などさまざまですが、その中でも舌や呼吸の癖をはじめとする口腔習癖は歯並びに大きな影響を与えます。
口腔習癖は、歯に不要な力が加わって不適切な方向に生える原因となることや、顎の成長を妨げて歯が収まるためのスペースを狭くする原因となることがあるのです。そのため、マイオブレースでは次のようなアプローチをすることで、歯や顎の正常な発育を促し、自然にまっすぐ歯が生えることを目指します。
- マウスピースのような取り外し式の装置を装着する
- 口周りの筋肉をトレーニングする
上記のアプローチによって、正しい飲み込み方法や舌の位置、鼻呼吸を習慣づけることが可能です。結果的に、顎の適切な成長が促され、歯が並ぶスペースを十分に確保できます。
マイオブレースの治療時期
マイオブレースは、一般的に3~15歳の乳歯が生え揃った頃から永久歯と入れ替わる頃が適切な治療時期とされています。予防矯正は、主に顎が成長する時期に取り組むことで効果が得られるため、遅くとも永久歯が生えてくる5~8歳頃までに始められるとよいでしょう。
ただし、歯の生え方や顎の成長には個人差があり、適切な治療時期はお子さまによって異なります。また、治療が必要かどうかは歯科医師が診ないと分からない部分も多いです。
矯正治療の必要性に早めに気づけるように、小さい頃から定期的に歯科医院で診てもらいましょう。
マイオブレースのメリット
マイオブレースのメリットは、以下のとおりです。
抜歯がいらない
マイオブレースは、歯をきれいに並べることを目的とするワイヤー矯正と違って、抜歯による体への負担がありません。一般的な矯正方法であるワイヤー矯正では、歯を並べるスペースが足りていないと、小臼歯などを抜いてスペースを確保する必要があります。
しかし、マイオブレースは、永久歯がきれいに並ぶための土台作りが目的であるため、そもそも抜歯する方法はありません。マイオブレースで適切な顎の成長を促せられれば、将来的にワイヤー矯正をする場合でも抜歯をしなくて済む可能性が高まります。
痛みが少ない
マイオブレースは、一般的な矯正と違って痛みが少ないです。ワイヤー矯正は歯を動かすために強い力がかかるため、痛みが出やすい特徴があります。
しかし、マイオブレースでは歯を動かすことが目的ではないため、痛みの心配は少ないです(装着して慣れるまでは多少の違和感はあります)。
装置が目立ちにくい
マイオブレースの装置は、透明で柔らかいマウスピースの形状で目立ちにくいです。また、装着時間も日中1時間と夜間寝ている間だけであり、基本的に外出先ではつけなくて済みます。
マイオブレースのデメリット
マイオブレースのデメリットは、以下のとおりです。
こどものモチベーション維持が必要となる
マイオブレースは、毎日のマウスピースの装着とトレーニングの2つが必要です。そのため、お子さまのモチベーションが治療の効果を左右します。
また、治療期間もおよそ2年以上と長くなるため、お子さまのやる気が出るように遊びを取り入れるなど保護者のサポートが重要といえるでしょう。
費用が高い
マイオブレースは保険が適用されないため、矯正治療にかかる費用はおよそ40~60万円かかります。また、永久歯列になってから歯列の調整が必要な場合、追加で矯正費用がかかる場合があります。
しかし、マイオブレースをせずに矯正した場合に比べると治療期間が短くなり、総額で考えると費用をおさえられる可能性が高いです。
マイオブレースの働きと効果
マイオブレースの働きと効果は、以下のとおりです。
ワイヤー矯正の必要がなくなる、または使用を最低限にできる
歯並びに影響がある口腔習癖を改善することで、顎の正常な成長を促すことができ、歯が自然に収まるスペースを確保できます。結果的に、永久歯が生え揃ったときにワイヤー矯正などの歯を動かす矯正治療の必要がなくなる可能性が高まります。
万が一、矯正が必要になっても、抜歯などの体への負担や治療期間の短縮が期待できるでしょう。
後戻りのリスクを軽減する
歯並びに影響する口腔習癖を改善できるため、矯正治療後の後戻りが起こりにくいです。
保定期間が不要になったり、保定期間を短縮できたりすることがあります。
全身の健康を増進させる
歯並びや噛み合わせが整うだけでなく、全身が健康に成長することにもつながります。
適切な鼻呼吸が習慣となることで、風邪やアレルギーの発症を抑制可能です。また、正しい筋肉の使い方を覚えることで、顎関節症や頭痛を予防する効果が期待できるでしょう。
マイオブレースの使用方法
マイオブレースは、毎日のマウスピースの装着と口周りの筋肉トレーニングによって効果を得られます。マイオブレースの使用方法は、以下のとおりです。
マウスピースを装着する
マウスピースは、日中1時間と就寝中、トレーニング中に装着します。
口周りの筋肉トレーニングを行う
舌や唇、頬などの口周りの筋肉をトレーニングします。主に呼吸の仕方や飲み込み方の訓練、お口周囲のエクササイズを朝晩2回ずつ行います。1回のトレーニング時間はおよそ2分です。
マイオブレース使用時の注意点
マイオブレース使用時の注意点は、以下のとおりです。
5~8歳までに始める
マイオブレースは、顎の成長を促しながら歯が正しい位置に生えるように働きかける矯正方法です。そのため、成長期の早期から治療を始めることで効果を発揮します。
できれば永久歯が生え始める5~8歳くらいまでに治療をスタートできるとよいでしょう。
使用時間が不十分だと効果が得られない
マウスピースの使用時間が短い場合やトレーニングが十分でない場合、治療期間の延長や期待する効果が得られないおそれがあります。
マウスピースを強く噛まない
マウスピースはシリコンでできているため、強く噛むと破損する恐れがあります。日中マウスピースを装着している間は、長時間おしゃべりすることや、気になってマウスピースを噛むことがないように気をつけましょう。
お湯でマウスピースを洗浄しない
お湯でマウスピースを洗浄すると変形する可能性があるため、歯ブラシで軽く磨きながら水洗いしましょう。
また、歯磨き粉をつけて磨くとかえって傷がつき、汚れが付きやすくなります。マウスピースを衛生的に保ちたい場合は、マウスピース用の洗浄剤を使用しましょう。
まとめ
マイオブレースは、口腔習癖の改善や顎の成長を促すことで、歯並びや噛み合わせが悪くならないように働きかける矯正方法です。予防矯正をすることで、永久歯列におけるワイヤー矯正の必要がなくなる可能性が高まります。もし必要になったとしても、体への負担軽減や治療期間の短縮が期待できるでしょう。
予防矯正は、できる限り早期に治療することで効果が高まります。まずは、歯科医院で歯や顎の成長について相談するのがよいでしょう。
マイオブレースを検討されている方は、福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。