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インビザライン治療で親知らずの抜歯は必要?メリット・デメリットとは
こんにちは。福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」です。
「インビザライン治療を受けるなら親知らずは抜歯しないといけない?」「親知らずを残したままインビザラインで矯正はできる?」など、疑問に思っている方もいることでしょう。
この記事では、インビザライン治療を始める際に親知らずを抜歯したほうがいいかについて解説をします。親知らずを抜くメリットやデメリット、親知らずを抜歯したほうがいい・しないほうがいいケースについて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
親知らずとは
親知らずとは、第二大臼歯のさらに奥に位置する歯のことです。前歯から数えると8番目の歯で、第三大臼歯や智歯(ちし)とも呼ばれます。
永久歯は14歳前後で生え変わりが完了しますが、親知らずは10代後半〜20代頃に新たに生えることが多いです。歯列の最奥に生えるため見えづらく、知らない内に生えていることも多いため「親知らずが生えているなんて知らなかった」という方も少なくありません。
親知らずは上下左右に1本ずつ、計4本ありますが、全て生え揃うとは限りません。4本全て生える方もいれば、1本も生えない方もいます。
親知らずは抜歯したほうがいい?
親知らずが生えていると「抜歯をしたほうがいいか」と悩まれる方が多いですが、抜歯をしたほうがいいかは親知らずの状態によって異なります。抜歯をしたほうがいい状態の親知らずは、以下の3つです。
- 虫歯や歯周病になっている
- 歯茎の炎症を繰り返している
- 歯並びに悪影響がある
上記に当てはまらず、綺麗にトラブルなく生えている親知らずの場合は抜歯する必要はありません。将来、臼歯を失った場合に親知らずを移植できる可能性もあります。
そのため、全ての親知らずを抜歯しなければならないわけではありません。一人ひとりのお口の状態や親知らずの生え方によって異なるため、親知らずの抜歯の必要性については歯科医師に相談してみるといいでしょう。
以下、抜歯をしたほうがいい親知らずの特徴について詳しく解説します。
虫歯や歯周病になっている
すでに虫歯や歯周病になっている親知らずは、抜歯を検討することになります。軽度の虫歯や歯周病であれば治療して残しておくこともありますが、虫歯が進行していたり重度の歯周病になっていたりする場合は、抜歯したほうがいいでしょう。
親知らずは歯列の最奥に生えており歯磨きが難しいため、虫歯や歯周病になるリスクが高いです。親知らずの虫歯や歯周病は、周囲の健康な歯にも影響を及ぼす可能性があります。
そのため、親知らずが虫歯や歯周病になった場合、虫歯・歯周病の状態、周囲への影響、親知らずの予後などを総合的に判断して、抜歯を検討します。
歯茎の炎症を繰り返している
親知らずは歯磨きが難しいため、細菌が歯周ポケットに入り込み歯茎が炎症を起こすことがあります。親知らずの生え方や清掃状態によって異なりますが、親知らず周りの炎症を繰り返すケースも少なくありません。
炎症を何度も繰り返すようであれば、抜歯を勧められるでしょう。
歯並びに悪影響がある
親知らずが斜めや横向きに生えているケースもあります。この場合、手前の歯を押して歯並びに悪影響を与える可能性が高いです。
特に、矯正治療をするのであれば、綺麗に整えた歯並びが再度乱れることがないように、真っ直ぐに生えていない親知らずは抜歯するケースが多いです。
インビザライン治療で親知らずを抜歯するメリット
インビザライン矯正をするにあたって親知らずを抜歯するメリットは、以下の3つです。
- 歯の後方移動が可能になる
- 後戻りのリスクを下げられる
- 虫歯や歯周病などのトラブルを回避できる
それぞれの理由を詳しく解説します。
歯の後方移動が可能になる
親知らずが生えている場合、歯を後方へ移動させることは困難です。親知らずを抜歯すればスペースができるため、歯の後方移動が可能になります。
特に、出っ歯(上顎前突)などの症例では、歯全体を後方へ移動させると歯並びが整いやすいです。
後戻りのリスクを下げられる
親知らずを残したまま矯正治療をスタートさせた場合、矯正終了後に親知らずが後ろから歯列を圧迫して歯並びが乱れる可能性があります。親知らずを抜歯することで、矯正後も整った歯並びを維持しやすくなります。
虫歯や歯周病などのトラブルを回避できる
親知らずは歯ブラシが届きにくく、虫歯になるリスクが高いです。虫歯だけでなく、智歯周囲炎(ちししゅういえん)という親知らず周りの歯周組織が炎症を起こす病気にかかる方もいます。
智歯周囲炎は、歯茎が腫れたり膿が出たりする症状が現れる病気です。悪化すると頬まで腫れて、口が開きにくくなるなど矯正治療に影響します。
虫歯や歯周病などになると、矯正治療を中断して治療をしないといけないこともあります。インビザライン矯正を始める前に親知らずを抜歯しておくと、矯正治療中のトラブルを回避できます。
インビザライン治療で親知らずを抜歯するデメリット
インビザライン矯正をするにあたって親知らずを抜歯するデメリットは、以下の3つです。
- 痛んだり腫れたりする可能性がある
- ドライソケットになる可能性がある
- 痺れや麻痺が出ることがある
それぞれの注意点を詳しく解説します。
痛んだり腫れたりする可能性がある
親知らずの抜歯後は、痛みや腫れが出る可能性があります。特に、歯茎の中に埋まっている親知らずや横向き・斜めに生えている親知らずを抜歯する場合、顎の骨を削ることがあります。その場合、抜歯後に痛みや腫れが生じやすいです。
痛み止めが処方されますが、症状が強い場合は抜歯後しばらく不快感があるでしょう。
ドライソケットになる可能性がある
抜歯後は、抜歯した箇所の穴を防ぐ血餅(けっぺい)と呼ばれる血の塊が形成されます。血餅ができることによって、細菌感染を防いで治癒を促します。
しかし、血餅が形成されなかったり途中で剥がれたりして、骨が露出するドライソケットという状態になることがあります。ドライソケットになると、激しい痛みが続いたり、痛みが長引いたりします。
痺れや麻痺が出ることがある
親知らずを抜歯するときに神経を損傷すると、麻痺や痺れなどの症状が出る可能性があります。神経に近い親知らずの場合は、2回に分けて抜歯を行うなど対策が必要です。
インビザライン治療で親知らずを抜歯したほうがいい・しないほうがいいケース
インビザライン矯正で親知らずを抜歯したほうがいいケースは、以下の5つです。
- 歯並びに影響を与える親知らず
- トラブルの原因になりそうな親知らず
- 後方移動が必要な症例
- 噛み合わせに悪影響を及ぼす親知らず
上述したとおり、親知らずが歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼす場合があります。インビザライン矯正がスムーズに進まなかったり、治療後に後戻りする原因になったりするため、抜歯したほうがいいと判断されるでしょう。
後方移動が必要な症例で親知らずがある場合も、抜歯するのが一般的です。親知らずがあると奥歯を移動させられないため、抜歯してスペースを作ります。
インビザライン矯正で親知らずを抜歯しないほうがいいケースは、以下の2つです。
- トラブルを起こす可能性が低い親知らず
- 健康で他の歯に影響しない親知らず
親知らずを健康な状態で残せていると、将来他の歯を失った際に親知らずを移植したり、ブリッジや部分入れ歯の支えにできたりします。親知らずは絶対に抜いたほうがいいとは言えないのです。
インビザライン治療で親知らずを抜歯するタイミング
インビザライン矯正で親知らずを抜歯するタイミングは、一般的には矯正治療を開始する前です。矯正前に抜歯しておけば、親知らずによるトラブルを回避でき、矯正後も親知らずによる後戻りを防げるからです。
ただし、親知らずの根が未発達など、トラブルを起こす可能性が低いと判断された場合は抜歯せず矯正治療を始めることがあります。後々、親知らずの状態が変化し矯正治療後に抜歯するケースもあるでしょう。
まとめ
親知らずが綺麗に生えていて、健康な状態であれば無理に抜歯する必要はありません。虫歯や歯周病のリスクが高く、歯並びに影響を与える可能性があると判断される場合は、矯正治療を開始する前に抜歯したほうがいいでしょう。
インビザライン治療をするにあたって親知らずを抜歯しておくと、歯の後方移動が可能になったり、矯正中の親知らずによるトラブルを回避できたり、さまざまなメリットがあります。矯正治療後も、親知らずが原因で歯並びが乱れるリスクがなくなります。
インビザライン矯正で親知らずを抜歯するデメリットや注意点もありますので、歯科医師の説明をよく聞き、納得したうえで抜歯しましょう。
インビザライン矯正を検討されている方は、福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。