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マウスピース矯正ができないケースはある?対処法も

こんにちは。福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」です。
「マウスピース矯正をしたいけれど、自分に合うかが分からない」「歯並びの乱れが大きいけれど、マウスピース矯正を行いたい」と考えたことはありませんか。マウスピース矯正は、目立ちにくく取り外し可能でライフスタイルに取り入れやすいため、人気が高まっています。
一方で、歯並びの乱れが大きい場合や原因が骨格にある場合には、マウスピースでの矯正治療が難しい場合もあります。マウスピース矯正を選ぶことで効果を実感できる症例は、どのようなものでしょうか。
今回は、マウスピース矯正が適応できるケースと適応できないケース、マウスピース矯正を行えない場合の対処法について解説します。
マウスピース矯正とは

マウスピース矯正とは、透明なプラスチック製のマウスピース(アライナー)を使って歯を少しずつ動かしていく矯正治療です。見た目が目立ちにくく、食事や歯磨きの際に取り外しが可能な点が大きな魅力です。
歯並びの状態に合わせて数週間ごとにマウスピースを交換しながら、少しずつ理想の位置へと歯を動かしていきます。
食事や歯磨きの際にマウスピースを取り外すことができるため、従来のワイヤー矯正と比べて口内を清潔に保ちやすい点も特徴でしょう。虫歯や歯周病のリスクが下がるというメリットがあります。
治療期間は歯並びや口内の状態によって異なりますが、軽度であれば半年~1年程度、複雑な歯並びであれば2年程度かかるとされています。
マウスピース矯正ができないケースはある?

マウスピース矯正は多くの人に適応できる治療法である一方、歯並びの状態や顎の構造によっては適応外となる場合もあります。歯の重なりが強いケースや顎の骨格にズレがある場合には、マウスピースだけで十分な効果が得られないことがあります。
事前に適応できない症例を把握しておくことで、治療途中での中断や後悔を避けやすくなります。自分に合った矯正法を選ぶには、専門医の診断と相談が不可欠です。
重度の歯列不正
歯の位置が大きくずれている、強いねじれがある、重なりが極端に多いなどの特徴がある場合、マウスピース単独では十分な矯正効果を感じられない可能性があります。マウスピース矯正は軽度~中等度の歯の移動には対応できますが、大きな移動を要する場合には不向きです。
顎の骨格に問題がある
上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口)など、歯列の乱れが骨格の位置に起因する場合は、歯の移動だけでは問題を根本から解決することができません。顎の骨格に問題がある場合には、外科的な処置を組み合わせた矯正手術が必要になります。
奥歯の大きな移動が必要なケース
マウスピース矯正は前歯の移動は可能ですが、奥歯を大きく動かす動きは難しいばあいがあります。特に上下の噛み合わせを調整する必要がある場合や、奥歯の上下方向の移動を伴う治療は、マウスピース単独では十分に対応できない可能性があります。
顎関節症である
顎関節に不調がある場合、矯正による歯の移動が関節に新たな負荷をかけ、症状を悪化させるリスクがあります。顎の痛み、開口障害、クリック音などがある人は、まず顎関節症の治療を優先したほうがいいでしょう。
状態が安定した後で矯正が可能かの判断が必要です。
マウスピース矯正が適応となるケース

歯並びの乱れが軽度である場合や外科治療を必要としない症例の場合には、マウスピース矯正が適応となります。特に審美目的での前歯のみの部分矯正では、マウスピース矯正と非常に相性が良く効果を実感しやすいでしょう。
軽度の空隙歯列
空隙歯列と呼ばれるすきっ歯は、歯と歯の間に隙間が空いている状態です。この歯並びは、見た目のコンプレックスにつながりやすく、発音や咀嚼に影響を与えることもあります。
すきっ歯の多くの場合、マウスピース矯正によって改善を実感することが可能です。マウスピースを使用しながら、歯を少しずつ移動させて隙間を閉じていきます。
軽度の開咬
開咬とは、奥歯を噛み合わせた時に、前歯がうまくかみ合わずに上下に隙間ができる状態のことを指します。開咬は発音のしづらさや食べ物が噛み切れないといった機能的な問題を引き起こすことや、見た目にも影響しやすいという特徴があります。
マウスピース矯正では、前歯の角度を整えることや噛み合わせのバランスを微調整することで、開咬の隙間を閉じます。重度の開咬や骨格に原因がある場合には、外科的な処置や他の矯正法との併用が必要になるケースもあります。
抜歯の必要がない症例
抜歯が必要なケースでは、歯を移動させるスペースが大きくなるため、移動の方向や角度などの調整が必要になります。
一方で、マウスピース矯正は歯の移動が少ない治療は得意です。抜歯を伴わない症例のほうが、より効果を実感しやすい可能性があります。
マウスピース矯正ができないときの対処法

歯の位置が大きくずれている場合や歯並びの乱れの原因が骨格にある場合、マウスピース矯正ができない可能性があります。マウスピース矯正ができないときの対処法を理解しておくことで、歯並びを改善する選択肢を増やせます。
ワイヤー矯正との併用
マウスピース矯正が難しいと判断された場合でも、ワイヤー矯正を併用すれば対応できる可能性があります。矯正治療の初期段階でワイヤーを使用して大きな歯の移動や複雑な咬み合わせの調整を行い、その後の微調整や見た目の仕上げをマウスピースで行うという方法です。
ワイヤーは強い力で歯を移動することができる一方で、見た目や取り外しの自由度は劣ります。治療中盤からは透明で目立たないマウスピースに切り替えることで、見た目への配慮や日常生活の快適さも確保しつつ、歯並びの微調整を行うことができます。
外科治療を組み合わせる
歯列の乱れが顎の骨格そのものの問題で起こっている場合、マウスピースやワイヤーといった装置による歯の移動だけでは根本的な改善が難しいことがあります。重度の出っ歯や受け口、顎の左右差など、歯列だけでなく骨格に原因がある場合には、外科手術が必要です。
外科手術によって顎の位置を正しい位置に移動させた後に、マウスピース矯正やワイヤー矯正で歯列を整えていきます。また、顎変形症などの疾病がある場合、健康保険が適用される可能性もあります。その場合、経済的な負担を大きく軽減できるでしょう。
顎関節症の治療を優先して行う
顎の痛みや口の開閉時の違和感、関節からのカクカク音などがある状態で無理に歯列矯正を始めてしまうと、かえって症状が悪化するリスクがあります。この場合、まずは顎関節症の症状を改善すべきでしょう。
マウスピース型の装置を使用することで関節の負担軽減させるスプリント療法や、筋肉の緊張を和らげる理学療法、生活習慣の見直しなどを実施します。顎関節の状態を安定させることができたら、矯正治療を歯科医師と相談しながら検討しましょう。
まとめ

マウスピース矯正は、透明で目立ちにくく、食事や歯磨きの際に取り外しができることから、近年幅広い世代で注目を集めています。
しかし、どのような歯並びにも適応できるわけではありません。歯の重なりが強いケースや顎の骨格に問題がある場合には、適応外となることがあります。
マウスピースのみでの治療が難しい場合、ワイヤー矯正との併用や外科的治療の選択が必要です。前歯のすき間や軽度の噛み合わせ異常であれば、マウスピースでも十分対応可能な場合があります。
治療の可否や最適な方法を見極めるには、専門的な診断が欠かせません。自身の口元に合った矯正法を見つけるためにも、まずは歯科医院での相談から始めましょう。
マウスピース矯正を検討されている方は、福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯・歯周病の治療だけでなく、歯並びや噛み合わせの治療も行って健康で笑顔あふれる人生[らいふ]を送っていただけるよう努めています。0歳からの虫歯予防や小児の矯正治療なども対応しています。