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子どもの矯正治療 Ⅰ期治療とⅡ期治療の違いを徹底解説

こんにちは。福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」です。
子どもの歯並びは、将来の健康や見た目にも大きく影響を与える重要な要素です。歯並び矯正には、大きく分けて「I期治療」と「II期治療」の2種類があるのをご存じですか?それぞれの治療には目的や開始時期に違いがあり、特にI期治療は成長発育に深く関わるため、適切な時期に始めることが重要です。
今回は、子どもの歯並び矯正について詳しく解説し、早めの矯正治療のメリットや、適切なタイミングについてご紹介します。
I期治療とは?
I期治療は、乳歯または乳歯と永久歯が混在する時期(混合歯列期)に行う歯並び矯正治療です。一般的に6歳頃から始めることが多く、成長を利用しながら歯並びや噛み合わせを整えることが目的となります。
I期治療を早く始めたほうがいいのか?
子どもの歯並び矯正には、成長発育という大きな要因が関係します。例えば、保護者の方が子どもの頃の写真と現在の顔を比べると、成長によって顔の形が変化していることがわかるでしょう。特に、顔の骨格は複数のパーツで構成されており、成長の仕方によって大きく変わります。
顔の成長は上・中・下の3つの部分に分けられます。
● 上1/3(上顎・額)は、10歳までに約95%の発育が完了
● 下1/3(下顎)は、16~18歳頃まで成長が続く
下顎の成長には個人差があり、生活習慣や食生活、癖などによっても変化します。そのため、成長を正確に予測するのは難しいのが現状です。
歯並びが悪くなる主な原因
歯並びが悪くなる主な原因として、口腔周囲筋(特に舌の機能異常)が挙げられます。舌は筋肉の塊であり、正しい位置や動きをしていないと、歯並びに影響を及ぼします。子どものうちに正しい舌の使い方を身につけることで、自然と歯並びが整いやすくなります。舌の筋機能の改善は、子どものうちに行う方が効果的であり、大人になってからでは矯正によって歯並びを整えられても、舌の機能の改善は難しくなることがあります。そのため、I期治療を推奨する歯科医院も多く存在します。
I期治療のメリット
永久歯が生え揃ってから行うII期治療と比較すると、I期治療には以下のような多くのメリットがあります。
顎の成長を利用できる
子どもの顎の骨は成長途中であるため、矯正治療を行うことで骨の発育をコントロールしやすくなります。特に顎の成長が足りない場合や、顎の幅が狭いために歯がきれいに並ばないケースでは、I期治療を行うことで自然な成長を促し、歯が並ぶためのスペースを確保しやすくなります。
たとえば、上顎の発育が不十分な場合、拡大装置を用いて顎の幅を広げることで、将来的に抜歯せずに矯正ができる可能性が高まります。また、受け口(下顎前突)の傾向がある場合は、上顎の成長を促す装置を使用することで、骨格的なズレを早期に改善できることもあります。
将来的な矯正治療の負担を軽減できる
I期治療を適切なタイミングで行うことで、II期治療の必要がなくなる、またはII期治療の期間が短縮される可能性が高まります。永久歯が生え揃った後に矯正を開始すると、抜歯が必要になったり、治療期間が長引いたりすることがありますが、I期治療によって歯が並ぶスペースを確保しやすくなるため、よりスムーズな治療が可能になります。
たとえば、I期治療で顎の成長を促しながら歯並びを整えておくことで、II期治療が必要になった場合でもワイヤー矯正やインビザライン(マウスピース矯正)の期間を短縮できることが多いです。また、抜歯矯正が避けられる可能性も高くなるため、歯へのダメージを最小限に抑えることができます。
精神的な負担を減らせる
矯正装置が目立つことで、思春期の子どもにとって心理的な負担やストレスになることがあります。しかし、I期治療を行うことで小学校低学年から中学年のうちに治療を進めることができるため、思春期に本格的な矯正装置を装着する必要がなくなるケースもあります。
特にワイヤー矯正の場合、装置が目立つことを気にする子どもも多いため、I期治療で問題をある程度改善できれば、思春期に周囲の目を気にすることなく過ごすことができます。また、矯正治療による痛みや違和感がある場合でも、幼い時期の方が適応しやすく、治療への抵抗感も少なくなる傾向があります。
II期治療とは?
II期治療は、永久歯が生えそろった後に行う歯並び矯正治療です。主に12歳前後から開始することが多く、歯の位置を整えることが目的となります。I期治療のみで歯がきれいに並ばない場合、II期治療が必要になります。
II期治療の特徴

永久歯の生えそろうタイミングで治療開始
II期治療は、永久歯が生えそろうタイミングで開始するのが一般的です。この時期になると顎の成長方向を把握しやすくなり、歯の移動もしやすくなります。特に成長期の終盤に入ることで顎の骨格が安定し、矯正の計画を立てやすくなります。また、歯の生え変わりが完了しているため、抜歯の必要性や歯の動かし方を正確に判断できるのもメリットの一つです。
歯の動きがスムーズ
若いうちは歯周組織の適応能力が高く、矯正がスムーズに進みやすいというメリットがあります。特に10代のうちは骨が柔らかく新しい歯の位置に適応しやすいため、歯を無理なく動かすことができます。これにより矯正期間を短縮できる可能性があり、成人矯正に比べて痛みや違和感も軽減されることが多いです。また、歯がスムーズに動くことで、矯正後の後戻りリスクも低減されます。
嚙み合わせを重視
奥歯の噛み合わせが歯並び全体に影響を与えるため、奥歯の位置を確認しながら治療を進めることが重要です。奥歯が正しい位置にないと前歯の噛み合わせにも影響を及ぼし、顎関節への負担が増す可能性があります。そのため、II期治療では見た目だけでなく機能的な噛み合わせの改善を目的とし、全体のバランスを考えながら矯正を進めます。
II期治療で使用する装置
II期治療では、いくつかの矯正装置の中から選んで歯並びを整えることができます。一般的には、ブラケットとワイヤーを使用する固定式矯正装置が主流ですが、近年では透明なマウスピース型矯正装置(インビザラインなど)を希望する方も増えています。それぞれの装置にはメリットとデメリットがあり、患者の歯並びや生活スタイルに応じた選択が重要となります。
まとめ

子どもの歯並び矯正には、成長発育を考慮したI期治療と、永久歯が生えそろった後のII期治療があります。I期治療を適切な時期に行うことで、顎の成長を利用しながら歯並びを整え、将来的な矯正の負担を軽減することが可能です。
適切な時期に矯正を始めることが、健康的で美しい歯並びを手に入れるための鍵となります。お子さんの歯並びが気になる場合は、早めに歯科医院に相談し、最適な治療計画を立ててもらいましょう。
お子さまのお口の中で気になることがある方は、福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院では、むし歯・歯周病の治療だけでなく、歯並びや噛み合わせの治療も行って健康で笑顔あふれる人生[らいふ]を送っていただけるよう努めています。0歳からのむし歯予防や小児の矯正治療なども対応しています。
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