ブログ
子どもの口呼吸と歯並び 相互に関係する理由を解説

こんにちは。福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」です。
お子さんの「ポカンと開いた口」、気になったことはありませんか?実はこれは、「口呼吸」のサインかもしれません。最近では、口呼吸がさまざまな健康トラブルの原因になることが知られるようになりました。とくに見逃せないのが、「歯並び」との深い関係です。
今回は、口呼吸が歯並びに悪影響を与える理由、そして、歯並びが原因で口呼吸になるケースについても詳しく解説します。
そもそも「口呼吸」とは?
私たち人間の基本的な呼吸は、鼻を通して行う「鼻呼吸」です。鼻には、空気中のゴミやウイルスを除去したり、空気をあたためたり加湿する働きがあり、肺への負担を減らしてくれます。一方、「口呼吸」はその名の通り、口を開けて呼吸することです。口は本来、食べる・話すといった動作を担う器官なので、呼吸にはあまり向いていません。口呼吸を続けると、次のような問題が起こりやすくなります。
● 口の中が乾燥しやすく、むし歯や歯周病のリスクが上がる
● 扁桃腺の炎症、風邪をひきやすくなる
● 口臭の原因になる
● 姿勢が悪くなる
● 舌の位置が下がることで、歯並びが悪くなる
特に成長期の子どもにとっては、発育や顔つきにまで影響が出る可能性もあるため、注意が必要です。
口呼吸が「歯並びを悪くする」メカニズム

口呼吸によって歯並びが乱れるのは、いくつかの原因が重なって起こります。
舌の位置が低くなる
鼻呼吸をしているとき、舌は自然に上顎の裏側に軽く触れた位置にあります。この舌の位置が、上顎の発育を内側から支えているのです。ところが、口呼吸の子どもは舌が下顎のほうに下がったままの状態になりやすく、上顎に必要な力がかからなくなります。すると、上顎が狭くなったり、十分に成長しなかったりすることが起こります。
口周りの筋肉バランスが崩れる
口を常に開けていると、唇や頬、顎などの筋肉のバランスが乱れ、歯を支える力のバランスも崩れてしまいます。本来、歯は「内側からの舌の力」と「外側からの頬や唇の力」が釣り合う場所に並びます。しかし、口呼吸によりこのバランスが崩れると、歯が内側または外側に傾いたり、並びきらなかったりして不正咬合になりやすくなります。
顔の骨格成長にも影響
成長期の子どもは、呼吸や咀嚼、発音などの習慣が、顎や顔面の骨格の形成に影響を与えます。口呼吸が続くと、上顎が狭くなり、顔が長くなる「アデノイド顔貌」と呼ばれる特徴的な顔つきになることもあります。
歯並びが「口呼吸を引き起こす」こともある
ここまで、「口呼吸が歯並びを悪くする」ことについて解説してきましたが、逆のパターンも存在します。つまり、歯並びの悪さが原因で、口呼吸になってしまうケースです。
上顎前突(出っ歯)
前歯が前方に突き出している状態では、唇が閉じにくくなります。常に口が開いた状態になりやすく、結果的に口呼吸の癖がついてしまうのです。
開咬
奥歯はかみ合っているのに、前歯が閉じない状態を「開咬」と言います。この場合も口をしっかり閉じるのが難しく、やはり口呼吸に繋がりやすくなります。
顎の発育不足や歯の重なり(叢生)
顎が狭く歯がきれいに並びきらない「叢生」では、舌の位置が下がりやすくなります。舌が正しい位置にないと、鼻呼吸がしにくくなることもあります。
相互に影響しあう「負のループ」
このように、口呼吸と歯並びはどちらが原因・どちらが結果という単純な関係ではありません。むしろ、お互いに影響しあいながら、悪循環を形成してしまうことが多いのです。
たとえば、
● 小さな頃の口呼吸が原因で上顎の成長が妨げられる
↓
● 顎が狭くなって歯並びが乱れる
↓
● 歯並びの悪さから口が閉じにくくなり、さらに口呼吸が悪化
↓
● 呼吸機能や姿勢、集中力にも影響…
といった「負のループ」に陥ることもあります。このようなケースでは、早期発見・早期対応がカギとなります。
気づいてあげたい、子どものサイン
次のような様子が見られる場合、口呼吸や不正咬合が疑われます。
● 日中や寝ているときに、口がポカンと開いている
● いびきや鼻づまりが多い
● 口臭が気になる
● 食べるのが遅く、咀嚼が苦手
● 姿勢が悪く、猫背になりがち
● 歯がガタガタ・前に出ている・前歯が閉じない
当てはまる項目が多い場合は、一度歯科医院で相談してみましょう。歯並びだけでなく、呼吸や舌の癖、口周りの筋肉の使い方などもトータルにチェックすることが大切です。
まとめ

お口の健康は、全身の健康とつながっています。口呼吸や歯並びの乱れを「ただの癖だから…」と放っておくと、将来大きな問題につながる可能性もあるのです。大人になると骨格や習慣の改善が難しくなるため、子どものうちに気づいて対処することがとても重要です。
当院では歯並びの矯正だけでなく、口呼吸や舌の位置、口腔機能発達不全なども視野に入れた診察を行っています。
お子さまのお口の中で気になることがある方は、福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院では、むし歯・歯周病の治療だけでなく、歯並びや噛み合わせの治療も行って健康で笑顔あふれる人生[らいふ]を送っていただけるよう努めています。0歳からのむし歯予防や小児の矯正治療なども対応しています。
当院のホームページはこちら、Web予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。