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インビザラインで叢生を治療する方法!叢生の原因や放置リスクも解説
こんにちは。福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」です。
「歯がガタガタしていて、歯を見せて笑うのが恥ずかしい」「八重歯が磨きづらい」「心ない言葉をかけられたことがある」そのようなお悩みを抱えている方は、もしかしたら「叢生」と呼ばれる歯列かもしれません。一見、矯正が難しそうで審美的なコンプレックスを抱きやすい叢生ですが、実はインビザラインで治療することができます。
今回は、叢生の原因、放置したときのリスクなどについて解説します。
叢生とは
叢生(そうせい)とは、歯が重なり合って一列に並んでいない歯列のことを指します。別名では乱杭歯と呼ばれ、日本人における不正咬合の中では最も多いといわれています。
叢生は、歯同士が重なり合っている場合のこともあれば、捻れてしまっていることもあります。日本ではチャームポイントとして捉えられていることの多い「八重歯」も叢生に入ります。
厚生労働省による「平成23年 歯科疾患実態調査」によると、日本人の不正咬合の4割を叢生が占めているそうです。審美的な目的で治療する方が多いですが、叢生のある方が無治療のままだと、80歳になったときに歯が10本以上残る確率は上顎でおよそ3%、下顎でおよそ40%といわれています。
叢生の原因
叢生には、先天的な原因と後天的な原因、さらには悪習慣による原因があります。1つの要因だけではなく、さまざまな因子が掛け合わさって重症化していることもあるのです。それでは、それぞれについて解説していきます。
先天的な原因
先天的な原因としては、顎の狭さ・細さ、歯の大きさなどが挙げられます。主に、歯の大きさと顎の細さのバランスが取れていないことが要因です。
先天的な原因は生まれながらに決まっていることを指すので、抗うことは難しいでしょう。
後天的な原因
後天的な原因として最も考えられるのが、乳歯から永久歯に変わるときにうまく生え変わらないことです。平均より早く歯が抜けてしまった歯がある、奥歯の永久歯が前方に移動してしまったなど、さまざまな要因が絡み合い、叢生につながってしまいます。
悪習慣による原因
乳児期以降も指しゃぶりがやめられない、舌で歯を触る(特に前歯の裏)癖がある方などは、叢生につながることがあります。また、硬いものを食べられないなどの近年の食習慣は、顎の発達を阻害することで歯列が悪くなる原因になります。
叢生で起こりやすいトラブルは?
実は、叢生であることだけで食生活や口腔ケアのトラブルが起きやすくなります。よくあるトラブルについて説明していきましょう。
歯磨きしにくい
叢生は、歯が重なり合っているため、一方向から歯ブラシを当てて念入りに磨いたつもりでも死角の部分に必ずといっていいほど汚れが残ります。特に、歯並びの入り組みが激しい部分は凸部が重なり、通常の歯ブラシでは磨きにくいです。
咀嚼しにくい
叢生とは不正咬合の一種ですが、噛み合わせに問題があると、食べ物を咀嚼する際にある一定の歯に圧力がかかってしまうため、十分に咀嚼ができない可能性があります。食べるのに時間がかかったり、胃腸の調子を崩す原因になることもあるでしょう。
口臭が気になる
口臭は、内蔵由来のものと口腔内由来のものに分かれ、口腔内由来のものに関しては口腔内のコンディションが関係してきます。叢生が原因で磨き残しがあったり、肉や魚などの繊維が歯間に残ってしまっていると、腐敗臭のようなにおいの原因になるのです。
また、叢生が原因で口をうまく閉じることができず、無意識に口をぽかんと開けていると、口腔内が乾燥して、さらに口腔内のコンディションが悪くなっていきます。
叢生を放置するリスク
歯列は審美的な目的で治療する方が多いですが、重度の叢生が原因で健康被害が出てくる可能性もあります。海外の論文などでは、叢生でも歯磨き・口腔ケアをしっかり行えば健康被害は起きないとされていますが、日本では叢生から口腔トラブルに繋がることはまだ多いです。
ここでは、叢生を放置するリスクについて解説していきたいと思います。
虫歯になりやすく、歯科治療も難しくなる
先述のとおり、叢生の方の中には歯磨きがしにくいと悩む方が多くいます。しっかり磨いたつもりでも物理的に磨くのが難しく、食べかすや歯垢を磨き残してしまう方が多いです。
歯磨きが不十分であると、不衛生なコンディションが続くため、虫歯や歯周病が発症・進行するリスクが高まります。また、歯が重なり合っているため、歯科治療も難しくなることがあるでしょう。
インプラント治療が難しくなる
叢生の方は、隣接する歯が斜めに生えてしまっている場合があり、顎骨に根幹を入れるインプラント治療が難しくなる可能性があります。
叢生の程度によっては、将来的に治療の選択肢が減ってしまうでしょう。
口内炎になりやすくなる
歯列が整っていないと、舌や内頬を噛んでしまうことがよくあります。
舌や内頬を噛んだ傷は、口内炎になりやすいといわれています。加えて、先述したように口腔内のコンディションが整っていない方が比較的多いため、そこから感染して口内炎の治癒が遅れる可能性もあるのです。
顎関節症になりやすくなる
叢生に限ったことではありませんが、歯列の悪い方は噛むたびに顎に負担がかかってしまいます。
特定の部分だけに強い力が蓄積していくと、顎の関節や軟骨もダメージが蓄積し、噛んだときや大きく口を開けたときに痛むようになるのです。これが延いては「顎関節症」という診断に繋がります。
インビザラインで叢生を治療する方法
インビザラインで叢生の治療を行うには「抜歯をしない」矯正が向いています。基本的にはほかの歯列矯正と同じ流れで、歯型を取りインビザラインを装着していきます。叢生だからといって、インビザラインの注意点が変わったりインビザラインの枚数や期間が極端に伸びたりすることはありません。
叢生の治療に向いているインビザラインの種類
叢生の治療に向いているインビザラインは2種類あります。大臼歯を動かすことができない「インビザライン GO」と、大臼歯を動かすことが可能で歯列全体を覆う「インビザライン・コンプリヘンシブ」です。
八重歯のみ気になる叢生であれば、インビザライン GOでも十分治療が可能ですが、中程度以上の歯列が全体的にガタガタしている叢生の場合、インビザライン・コンプリヘンシブがおすすめです。
インビザライン治療で上顎突出を防ぐ
叢生治療を非抜歯ワイヤー法で行うと、歯列は整いますが、横にアーチが伸びず上顎突出(出っ歯)になってしまうことがあります。
しかし、インビザラインで矯正を行うと横にアーチを伸ばすことができ、かつマウスピースとして歯列のガイドができているので、上顎突出を防ぐことができるのです。
重度の叢生はインビザラインでは治療できない?
重度の叢生は、インビザラインで治療ができないことがあります。叢生は先述してきたとおり、顎骨の狭小が関係しており、歯列の問題だけではなく骨格の問題もあるからです。
インビザラインは、空いているスペースに歯を動かすことを得意としますが、顎の骨格的にスペースがない場合、インビザラインだけでは治療が難しくなります。中には、抜歯を行ったり、部分的にワイヤー矯正を取り入れたりすることもあります。
インビザラインは、マウスピース矯正の中でも唯一、抜歯治療と並行して装着できる優れものです。それでも治療が難しければ、途中から治療方法を切り替えることも稀にあります。
叢生の重症度を自身で判断することは難しいです。自分のコンプレックスは客観的に見ることができず、重症度を高く設定してしまいがちですが、自分では重度だと思っていてもインビザラインだけで治療できる症例もあります。まずは、歯科医院で専門的な意見を聞きましょう。
まとめ
叢生に悩み、審美的なコンプレックスを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。人によっては、歯磨きが困難であったり、うまく笑えず精神的負担に繋がったりするでしょう。叢生は、永久歯への生え変わりとともになってしまう方が多いため、予防することもなかなか難しいです。
今回の記事で、叢生の治療は思ったよりも敷居が低いことがおわかりいただけたでしょうか。放置するとさまざまな健康被害リスクが高まる叢生ですが、インビザラインで十分治療できることが多いです。
叢生でお悩みの方やインビザライン治療を検討されている方は、福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。