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インビザライン矯正を中断するケースと影響を解説!
こんにちは。福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」です。
インビザライン矯正は、透明のマウスピースを装着することで歯を徐々に動かし、歯並びを整える治療です。治療期間は治療内容によって幅があり、歯並びの一部分のみを矯正する場合は半年から1年程度、歯並び全体の治療なら2年~3年程度になります。
歯科の中では治療期間の長い治療であるため、治療を中断したいと考える方や、中断せざるを得ない状況になる方も稀にいます。中断した場合、どのような影響があるのか気になる方は多いでしょう。
今回は、インビザライン矯正の中断について解説します。
インビザライン矯正を中断するケース
インビザライン矯正を中断することになるケースは、以下のとおりです。
妊娠・出産
インビザライン矯正は、マウスピースを装着して歯並びを整える治療です。薬などは使わないので、基本的には妊娠・出産で治療を中断する必要はありません。
しかし、つわりがある時期や体調が悪い場合は、マウスピースを口に入れることが難しい方もいます。
また、妊娠によるホルモンバランスの変化によって、妊娠性歯周病になることもあります。つわりのため歯磨きが十分にできないケースもあるでしょう。歯周病によって歯茎が腫れて出血すると、マウスピースを装着するのが困難になります。
体調不良により通院が難しくなったりマウスピースの装着ができなかったりする場合は、インビザライン矯正を続けられないでしょう。ワイヤー矯正に変更する選択肢もありますが、体調や歯並びの状態によってはそれも難しいことがあります。
マウスピースの装着や通院の指示を守れない
インビザライン矯正では、毎日20~22時間のマウスピースの装着を前提に治療計画が立てられています。また、定期的に調整のために通院しなければなりません。
しかし、マウスピースの装着や通院が習慣化せず、いつの間にか中断する方もいます。仕事や学校で忙しい方、保護者の方のすすめで矯正治療をはじめたもののモチベーションを保てなくなった方などが挙げられるでしょう。
それぞれ事情はありますが、中断しないように工夫しましょう。
引越しなどの環境の変化
インビザライン矯正は、日本全国、世界中に治療を行っている歯科医院が多数あります。
しかし、急な引越しにより治療をはじめた歯科医院に通えなくなった時、自分に合った歯科医院を見つけられないケースもあるかもしれません。インビザライン矯正中に引越しする際は、新しい通院先を紹介してもらって治療のデータを引き継ぎましょう。
病気・入院
入院するような大きな病気をした場合、インビザライン矯正治療を続けられないケースもあります。病気の状態や症状にもよりますので、歯科医師と主治医に相談しましょう。
虫歯・歯周病
虫歯や歯周病になった場合、矯正治療よりもそちらの治療を優先させるため、矯正治療を中断することもあります。歯を抜いたり大きく削ったりした場合は、マウスピースが合わなくなるケースもあるでしょう。
マウスピースを作り直すため、費用が増加したり治療期間が延びたりすることもあります。
装着時に痛みや違和感がある
マウスピースを装着した際の痛みや違和感が強かったため、治療の継続が難しい方もいます。マウスピースは患者さまの歯並びに合わせて製作されていますが、装着の仕方が正しくなかったり、交換のタイミングが違っていたりすると、適合が悪くなるのです。
歯科医師からの細かい指示をしっかりと確認し、ただしく装着するようにしましょう。また、新しいマウスピースを装着してから1週間たっても痛みが続く場合は、早めに歯科医師に相談しましょう。
インビザライン矯正を中断すると影響はある?
インビザライン矯正に限らず、治療の途中で中断することは避けるべきです。今までかけた治療期間や費用が無駄になる可能性が高く、歯並びの問題も解決しないからです。
インビザライン矯正を中断するとどのようなリスクがあるのか解説します。
歯並びが改善されない
どのような矯正治療でも、治療完了後の理想の歯列を目指して歯を移動させていきます。当然ですが、途中で治療をやめると理想の歯列にはなりません。
詳しくは後述しますが、治療開始前よりも歯並び・噛み合わせが悪化する可能性もあるでしょう。
後戻りが起こる
矯正治療を中断すると、少しずつ動かした歯が元に戻る後戻りが起こります。歯が治療計画通りに動き、歯並びが整った場合でも、その後に適切に保定しなければ後戻りします。矯正治療後の歯周組織は不安定で、動きやすいためです。
保定期間中は歯を動かすことはありませんが、後戻りしないように歯を固定する必要があります。矯正治療を歯科医院に相談せずに中断した場合、保定する術がありません。治療中断時の歯並びで安定するのではなく、ほぼ確実に後戻りすると考えて良いでしょう。
歯科医院に相談した場合でも、保定装置の装着を怠れば後戻りします。
噛み合わせが悪くなる
インビザライン矯正では、歯並びだけではなく噛み合わせも考慮して治療計画が立案されます。
しかし、治療中は歯を移動させます。一時的ではありますが歯並びや噛み合わせが悪くなる時もあり、治療を中断した場合は歯並びが悪い状態になることも考えられます。
歯並びが整わないだけではなく、噛み合わせが悪くなるとしっかり噛めなくなったり、一部の歯に大きな負担がかかったりと、さまざまな弊害が生じます。肩こりや頭痛、体調不良の原因になることもあるでしょう。
歯だけではなく身体の健康を守るためにも、矯正治療は中断せず最後まで受けられるよう、スケジュールを確認しましょう。
治療期間が延長される
一旦インビザライン矯正治療を中断してしばらくたって再開する場合でも、当初の計画よりも治療期間が長くなるケースが多いです。一からやり直しになることは少ないですが、中断している間は歯が動かず、マウスピースを装着していなければ後戻りする可能性があるからです。
また、新しいマウスピースの作製が必要になった場合は、新しいマウスピースが届くまでの1~2ヶ月治療期間が延長されます。マウスピースの代金や通院費用なども追加で必要になるかもしれません。
さまざまな事情からインビザライン矯正治療を中断する方もいるでしょう。
しかし、病気などのやむを得ない事情を除いて、中断することはおすすめできません。なんとか続けられるように、歯科医師とも相談してください。
インビザライン矯正を中断した場合は返金される?
インビザライン矯正の費用は、治療で使用するマウスピースの枚数によって決まります。費用相場は、部分矯正では30万~50万円、全体矯正では70万円~100万円です。治療を中断した場合、この費用は返金されるのでしょうか。
矯正治療は自由診療であるため、歯科医院によって対応が異なります。例えば、日本矯正歯科学会に属する歯科医院の場合は、学会より矯正治療を中断する際は治療の進行度に合わせて返金・精算するように定められているので、返金されるでしょう。
しかし、矯正治療を行っているすべての歯科医院がこの学会に所属しているわけではありません。歯科医院によっては独自で規約を設けており、場合によっては治療費の全額や一部を返金しています。
返金された場合でも、既に製作済のマウスピースの代金や実施した検査の費用、診療代金などは返金されないことが多いでしょう。全額返金に応じないと定めているケースもあります。
治療を始める時は中断することを多くの方は考えていませんが、不測の事態を想定して中断した場合にどのように対応してもらえるか確認しておきましょう。
まとめ
数年間治療を続ける必要があるインビザライン矯正では、治療を中断する方も稀にいます。どの程度中断したかにもよりますが、一旦中断した場合は、後戻りしたり治療が延長になったり、はじめから治療がやり直しになったりといったリスクがあります。
これまで治療にかけた時間や費用が無駄になるので、中断することはないようにしましょう。
治療を中断せずに終わらせるには、患者さま自身が治療を続けやすいタイミングを図ることと、通いやすく相談しやすい歯科医院を選ぶことが大切です。後悔がないように、複数の歯科医院のカウンセリングを受けて自分に合った歯科医院を選んでください。
インビザライン矯正を検討されている方は、福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。