ブログ
予防歯科とは?一般歯科との違いやできること、保険適用や費用について
こんにちは。福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」です。
最近では、虫歯や歯周病などのトラブルが起こる前に対処する予防歯科に力を入れている歯科医院が増えています。歯の健康は全身の健康にもつながるため、歯の健康を長い間維持するためには予防歯科に取り組むことが非常に重要です。
しかし、日本では歯科医院は痛みなどのトラブルが起こってから行くところだという考えをお持ちの方が多く、予防歯科について詳しく知らない方もいるのではないでしょうか。
今回は、一般歯科と予防歯科の違い、予防歯科でできることや費用について詳しく解説します。
予防歯科とは
予防歯科とは、虫歯や歯周病などの口腔内のトラブルを未然に防ぐことを目的にした取り組みです。歯科医師や歯科衛生士などの専門的な知識を持ったプロが検査やケア、指導を行って虫歯や歯周病を予防します。
スウェーデンや欧米などの歯科先進国に比べると、日本はまだまだ予防歯科の文化が広がっていません。そのため、歯科先進国では80歳でも自分の歯が20本程度残っている人が多いのに対して、日本人の場合は平均で15本程度しか残っていないというデータがあります。
虫歯や歯周病などのトラブルが起こってから歯科医院に行くのではなく、お口の中を健康な状態に保つ目的で歯科医院に通うことが大切です。予防歯科により将来的な治療の必要性を減らすことで、年を重ねても長い間健康な歯を維持できる可能性が高まります。
予防歯科と一般歯科の違い
予防歯科と一般歯科の違いは、歯に対するアプローチが大きく異なります。
予防歯科では、歯の健康を維持するために口腔内のトラブルを未然に防ぐアプローチがメインで行われます。専用の機械や器具を使用した歯石取りや歯のクリーニング、毎日のセルフケアのレベルを上げるためのブラッシング指導などがこれにあたります。
一方で一般歯科の場合は、虫歯や歯周病などのトラブルが発生している歯に対して必要な治療を行います。
虫歯を削って詰め物や被せ物をする治療や、虫歯が神経にまで達している場合には歯の根の治療を行ないます。歯周病が進行している場合は、歯茎の中に付着した歯石を専用の器具を使用して除去する処置などが行われるでしょう。
歯科検診であっても、一般歯科ではトラブルがあるかどうかを調べることがメインであり、悪い部分の早期発見・早期治療が目的です。
予防歯科と一般歯科では、トラブルが起こるのを防ぐための処置を行なうか、トラブルがないか調べて悪い部分を見つけて治療を行なうかといった大きな違いがあります。
予防歯科でできること
予防歯科でできることは、以下のとおりです。
- 検査
- スケーリング
- PMTC
- フッ素塗布
- ブラッシングや生活習慣の指導
それぞれ詳しく解説します。
検査
検査では虫歯の有無のチェックや歯周病の検査が行われます。レントゲン撮影や歯周ポケットの深さを測る検査を行うことが一般的です。
初期の虫歯や歯周病は、自覚症状が少なく自分で気づくことは難しいため、歯科医院でプロにきちんと検査してもらうことが大切です。虫歯や歯周病を早期に発見し、適切な治療を受けることで悪化を防げます。
スケーリング
専用の器具を使用して歯石や汚れを除去することをスケーリングと呼びます。歯石とは、歯に付着した歯垢(プラーク)が石灰化して硬くなったものです。歯に歯石が付着していると、周辺に歯垢が溜まって歯周病の原因になります。口臭を引き起こすこともあるでしょう。
歯石は歯ブラシでは落とせないため、スケーリングで除去する必要があります。
PMTC
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)とは、歯科医師や歯科衛生士が行う専門的な歯のクリーニングのことです。ふだんどれだけ丁寧に歯磨きをしていても全ての汚れを除去することは難しいといわれています。
歯科医院では、専用の機械やペーストを使用してふだんの歯磨きでは落としきれない汚れを徹底的に除去します。最後に、歯の表面をピカピカに磨いて汚れが付着しにくいように仕上げることで、虫歯や歯周病になりにくい口内環境に整えます。
フッ素塗布
フッ素には、歯のエナメル質を強化する作用や虫歯菌の活動を抑える効果があります。歯のクリーニングのあとに、歯の表面にフッ素を塗布することで虫歯予防に効果的です。
とくに生えたばかりの永久歯や乳歯に効果があるため、幼少期から定期的にフッ素塗布を受けると良いでしょう。大人であっても虫歯になりやすい人は、定期的にフッ素塗布を受けることが推奨されます。
ブラッシングや生活習慣の指導
予防歯科では、歯科衛生士による専門的な指導も行われます。まず、毎日のセルフケアが効果的に行えるようにブラッシング指導を行います。患者さんそれぞれの磨き癖や汚れが残りやすい場所を確認したうえで、それぞれに合った磨き方を指導してもらえます。
デンタルフロスや歯間ブラシの使い方も指導してもらえるので、自宅でも効率よく汚れを除去できるようになるでしょう。正しいブラッシングの仕方を身につけることで、虫歯や歯周病の予防につながります。
お口の中の健康は全身の健康にも関係しています。正しい方法で歯磨きをする習慣を身につけ、虫歯や歯周病などのお口のトラブルを防ぐことができれば、全身の健康維持にもつながるのです。
また、甘いものをよく口にする習慣があったり、間食の回数が多かったりすると虫歯や歯周病になるリスクが高まります。予防歯科では、患者さんの食生活や生活習慣をおうかがいし、虫歯や歯周病になるリスクが高い習慣がある場合はアドバイスも行います。
予防歯科の費用は保険適用の対象となる?
基本的に保険適用の対象となるのは、病気を治すための必要最低限の治療とされています。そのため病気の治療を目的としていない予防歯科は、保険が適用されないと考えることが自然であり、今までは保険適用外の自由診療でした。
しかし、2020年の診療報酬改定により予防歯科でも条件を満たせば、保険が適用されるようになりました。改定のポイントは、疾患の重症化を防ぐことを目的とした予防治療は保険適用となるということです。
歯石や汚れの付着など、お口のトラブルにつながる初期症状が認められる場合は、クリーニングなどの処置も保険適用の対象となります。そのため、定期的な歯のクリーニングなどの予防歯科が身近なものへと変わりました。
予防歯科の費用目安
予防歯科の費用目安は、保険適用の3割負担の場合で2,500円〜3,500円程度でしょう。保険が適用されない場合の費用目安は1万円前後です。
ちなみに初期の虫歯治療であれば、保険適用の3割負担の場合、1,500円〜3,000円程度で治療を受けられることもあり、費用だけみると安く感じるかもしれません。
しかし、一度虫歯になって削った歯は元に戻ることはありません。治療した歯は、二次虫歯の懸念もあり、数年後に再度治療が必要になることもあります。また、治療した歯は健康な歯に比べて寿命が短くなる場合もあります。
予防歯科に取り組むことで将来的な治療費の負担を抑えることができるため、目先の費用だけで考えるのではなく、長い目で見てどちらが良いのか判断することが大切です。
まとめ
予防歯科とは、虫歯や歯周病などのトラブルが起こる前に、スケーリングやPMTC、ブラッシング指導などによって虫歯や歯周病などを予防するための取り組みです。
予防歯科に取り組むことで、将来的な治療費の負担を減らせたり、歳を重ねてもご自身の歯で食事を楽しめたりする可能性が高まります。
現在、予防歯科は保険適用の対象となるケースがほとんどであるため、気軽に歯科医院で処置を受けられるでしょう。予防歯科に興味がある方や虫歯・歯周病を予防したいとお考えの方は、歯科医院で相談してみましょう。
予防歯科を検討されている方は、福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯・歯周病の治療だけでなく、歯並びや噛み合わせの治療も行って健康で笑顔あふれる人生[らいふ]を送っていただけるよう努めています。0歳からの虫歯予防や小児の矯正治療なども対応しています。