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子どもの歯を丈夫に育てるには?栄養から考えるむし歯予防


こんにちは。福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」です。

「歯を丈夫にする食べ物はありますか?」というご質問をよくいただきます。むし歯予防といえば、歯みがきやフッ素塗布の大切さは広く知られるようになりましたが、実は食事も見逃せない要素です。

歯は私たちの身体の一部であり、骨や筋肉と同じように栄養によって作られて育ちます。つまり、どのようなものを食べているか、どんな栄養を摂っているかによって、子どもたちの歯の強さや健康状態が大きく左右されるのです。
今回は、子どもの歯を丈夫に育てるために重要な栄養と食事について、妊娠期から成長期まで段階ごとに解説します。

歯の発育と栄養の関係

歯の健康は、一生のうちでも特定の成長時期に大きく影響を受けます。乳歯のもととなる「歯胚」は、実は妊娠中から形成が始まります。つまり、まだお腹の中にいる時期からすでに赤ちゃんの歯の健康づくりはスタートしているのです。

その後、乳歯が生え揃い、6歳ごろから永久歯が少しずつ生えてきます。そして、小学校高学年から中学生の間に最後の永久歯(第二大臼歯)が完成します。これらの時期にしっかりとした栄養を摂れていないと、歯の形成に支障が出たり、エナメル質形成不全(歯の表面に白い斑点ができる状態)を引き起こすリスクが高まります。

つまり、歯を丈夫に育てるには「今むし歯がないか」だけでなく、「将来むし歯になりにくい歯をつくる」視点が重要です。特に、栄養バランスの取れた食事を心がけることが、その基盤となります。

歯に良い栄養素と食品

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歯の発育には多くの栄養素が関わっており、カルシウムだけ摂っていれば良いわけではありません。ここでは、歯にとって特に重要な栄養素と、それを多く含む食品を紹介します。

・カルシウム
歯や骨の主成分であるリン酸カルシウムを構成する重要なミネラル。特に発育期には不足しがちなので、意識的に摂りたい栄養素です。
主な食品:ひじき、チーズ、しらすぼし、小松菜、牛乳、ヨーグルト など

・リン
カルシウムと一緒に摂取することで、より効果的に歯や骨を強化します。
主な食品:米、卵、牛肉、豚肉、魚介類 など

・タンパク質
象牙質や歯の基盤を形成するための材料となります。成長期には特に必要量が増えるため、毎食にしっかり取り入れることが大切です。
主な食品:卵、牛乳、豆腐、あじ、鶏ささみ、大豆製品 など

・ビタミンA
歯の最表面を覆うエナメル質の発達をサポートし、強く丈夫な歯の土台を作ります。
主な食品:豚レバー、鶏レバー、にんじん、かぼちゃ、ほうれん草 など

・ビタミンC
象牙質の形成を助け、さらに歯ぐきの健康にも関わる栄養素です。
主な食品:みかん、いちご、ピーマン、ブロッコリー、さつまいも など

・ビタミンD
カルシウムの吸収を促進し、体内での利用効率を高めてくれるビタミンです。日光を浴びることでも体内で生成されます。
主な食品:鮭、いわし、卵黄、バター、牛乳 など

これらの栄養素を「単独で摂る」のではなく、「組み合わせて摂る」ことが、歯の健康を支えるためのコツです。

妊娠中から始める歯の健康づくり

歯の発育が妊娠中から始まっていることを考えると、妊婦さん自身の栄養状態も非常に大切です。特に妊娠初期〜中期にかけては、赤ちゃんの歯胚の形成が始まる時期です。この時期にカルシウム、ビタミンD、葉酸、鉄分などが不足すると、赤ちゃんの歯の質に影響する可能性があります。つわりで食事が摂りにくい場合は、以下のような工夫をすると良いでしょう。

● 一度にたくさん食べず、少量ずつ分けて食べる
● 消化のよい食品(スープ、雑炊、うどんなど)を中心に
● ビタミンDは日光浴でも補えるため、無理のない範囲で外出する

妊娠中からこれらを意識することで、自然と歯の発育をサポートできます。

成長期の食事習慣が未来の歯を守る

小中学生になると、子どもたちの食の好みに差が出てきます。偏食、間食のとり方、甘いお菓子やジュースへの欲求も高まる時期です。このような食習慣は、むし歯のリスクだけでなく、歯の発育そのものに影響します。たとえば以下のような食習慣には注意が必要です。

● 間食のたびに甘いお菓子を食べる
● 食事よりもスナック菓子や炭酸飲料が中心
● 野菜や魚を嫌って食べない

このような習慣が続くと、歯をつくるための栄養素が不足し、むし歯にもなりやすくなります。親としてできることは、「お菓子をやめさせる」ことではなく、「栄養バランスの取れた間食を提案する」ことです。

おすすめの間食

間食には、以下のようなものがおすすめです。

● チーズ(カルシウムとタンパク質が豊富)
● ゆで卵(良質なタンパク質)
● おにぎり(ビタミンB群とエネルギー源)
● 果物(ビタミンと自然な甘み)
「おやつ=栄養補給のチャンス」と考え、間食を工夫することで、むし歯を防ぎながら健康的な歯を育てることができます。また、食事の内容だけでなく、よく噛んで食べることも重要です。しっかり噛むことで唾液の分泌が促され、口腔内の汚れを洗い流し、むし歯予防につながります。

まとめ

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子どもの歯を丈夫に育てるためには、歯みがきやフッ素塗布だけでなく、毎日の「食」の積み重ねも大切です。カルシウムだけを意識するのではなく、ビタミンD、タンパク質、リンなど、歯の発育に関わる栄養素をバランスよく取り入れることが求められます。そして、そのスタートは実は妊娠中からすでに始まっています。妊娠期、幼児期、学童期と、段階ごとに食生活を見直し、必要な栄養素をしっかりと補っていくことで、子どもたちはむし歯になりにくくしっかり噛める歯を手に入れることができるでしょう。

お子さんのお口の中で気になることがある方は、福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院では、むし歯・歯周病の治療だけでなく、歯並びや噛み合わせの治療も行って健康で笑顔あふれる人生[らいふ]を送っていただけるよう努めています。0歳からのむし歯予防や小児の矯正治療なども対応しています。
当院のホームページはこちらWeb予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。