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マイオブレースの治療期間はどれくらい?治療の流れも解説!
こんにちは。福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」です。
こどもの頃から顔・顎・お口の中を管理して、健康なお口へと整えていくことは、美しく健康な大人の歯並びを作るうえでとても大切なことです。歯並びを整えることは、虫歯・歯肉炎・歯周病などの予防にもつながります。
健康なお口を整えていくためには、歯並びだけではなく、顎の骨の発達やお口の周り・舌の筋肉の発達も重要です。これらの骨や筋肉がバランスよく成長し機能していないと、歯と顎の位置が整いにくくなります。
また、誤った呼吸法(鼻呼吸ではなく口呼吸をしている)や舌の癖による異常な飲み込み方、舌で歯を押したり突出させる癖などの問題点を改善することも、健康なお口を整えていくために重要です。これらの問題点を改善するための方法の一つに、マイオブレースによる治療があります。
マイオブレースは、従来のワイヤー矯正やマウスピース矯正とはコンセプトが異なります。お口の周りの筋肉や舌の働き、成長の速度なども考えた治療により、効果的かつ快適な方法で患者さんの歯と咬み合わせを整えていくのです。
この記事では、マイオブレースの特徴や治療期間、治療の流れなどについて詳しく解説します。
マイオブレースとは
マイオブレース(Myobrace)は、クリス・ファレル博士によって1989年に開発され、オーストラリアの会社であるMyofunctional Research Co.が開発・販売している歯科矯正治療の一つです。
マイオブレースは、主にお子さんの歯並びの問題や口腔機能の改善に焦点を当てて治療を行います。理想的な歯並び作りを促進するだけでなく、咬合(咬み合わせ)や顎の成長に影響を与えそうな口腔機能について、その原因について働きかけることで、理想的なお口の成長発育を目指す治療法です。
具体的には、正しい舌の位置へ誘導すること、口呼吸から鼻呼吸へ改善させること、正しい飲み込み方へ誘導することなどによって、顎や顔の成長発育を理想的な方向へと誘導していくことを目指しています。
マイオブレースは、従来の歯列矯正治療とは異なる
マイオブレースは、ワイヤー矯正のようなブラケットやワイヤーは使用しません。
マイオブレースは取り外し可能な特殊なマウスピースで、特定の段階で目的に応じたマウスピースを装着して理想的なお口へと誘導します。ワイヤー矯正のような固定式の装置は、装置が当たることによる痛みや口内炎による痛みが起こることがあるでしょう。
しかし、マイオブレースは取り外すことができるマウスピースを使用するため、ワイヤー矯正のように装置が当たることによる痛みは少ないといわれています。万が一痛みを感じた場合も、自分でマウスピースを外すことが可能です。学校や外出、食事をするときに取り外すことができ、歯磨きもしっかりできます。
なお、日中1~2時間と就寝中は装着する必要があるため注意しましょう。
マイオブレースの特徴
マイオブレースは、特に幼少期(6〜8歳頃)から治療を開始することで、成長期にあるお子さんの口腔機能を適切に整えることを目的にしています。歯列矯正のようにスペースを作るために抜歯をすることもほとんどありません。
さらに、後戻りもワイヤー矯正やマウスピース矯正よりも少ないといわれています。
マイオブレースはオールマイティではない
歯列矯正治療が必要なすべての患者さんにマイオブレースを使った治療が行えるわけではありません。
歯並びやお口を整える治療にはさまざまなアプローチがあり、患者さんの初診時の状態や希望する治療、治療にかけられる期間によっても異なります。例えば、顎の横幅が狭い患者さんの場合は、金属の装置で顎を拡大させる治療を行うこともあるでしょう。
このように、歯科医師が患者さんそれぞれのお口の状況を評価したうえで、マイオブレースも含めた最適な治療法を検討・提案してもらうことが重要です。
マイオブレースの治療期間はどれくらい?
マイオブレースの治療期間は、患者さんそれぞれのお口の状況によって異なります。患者さんの歯並びの状態や治療を開始する時期、目指すべき目標、口腔機能の改善に必要な時間などによって治療期間は決まるのです。また、患者さんがどれだけマイオブレースを使用できるかという協力度も影響するでしょう。
マイオブレースは、お口および周囲の筋肉や癖などのチェックを定期的に歯科医師が行い、成長に合わせた治療計画の見直しを随時行います。そして理想とする治療のゴールに向けて、歯科医師・親御さん・本人と相談しながら、マウスピースを調整して治療します。
マイオブレースは、一般的に6か月〜2年程度の治療期間がかかりますが、個人の治療内容によって異なるので注意しましょう。
マイオブレースの治療の流れ
マイオブレースによる治療の一般的な流れは、以下のとおりです。
具体的な流れについては、患者さんのお口の状態、目指すべき目標によって異なる場合がありますので、歯科医師からしっかり説明を受けて、相談しながら治療を進めましょう。
(1)初診時の診察
まず歯科医師が診察してマイオブレースの治療が必要か、また治療のゴールをどう設定するかを検討します。
歯科医師は、患者さんの歯並びやお口の機能、咬合(咬み合わせ)、口呼吸か鼻呼吸か、舌の位置や突出させる癖の有無・程度などを評価します。また、歯科レントゲン検査で骨格の状況を評価したり、歯型の模型を取って歯並びの状況を三次元的に評価することもあります。
(2)治療計画の立案
初診時の評価を基に、患者さんのお口の状態に合わせた治療計画が立案されます。
マイオブレースでは、患者さんそれぞれのお口の状態に応じて適切なデバイスを使用し、口腔機能の改善と歯列の調整を行います。
(3)マウスピースの製作
治療計画に基づいて、マイオブレースのマウスピースを製作します。
患者さんのお口に合ったカスタムメイドのデバイスで、段階的に治療をサポートします。
(4)マウスピースの装着状況と治療の進行チェック
患者さんが指示通りにマウスピースを着用しているか、定期的に歯科医師が診察して進行をチェックします。
治療の進行状況を確認し、必要に応じてマウスピースの調整や次のステップへ移行するかを検討します。
(5)口腔機能の改善
マイオブレースの治療は歯並びの矯正だけでなく、口腔機能の改善も目的の一つです。
患者さんには適切な舌の位置や鼻呼吸法、適切な飲み込み方、舌の習癖の改善なども意識してもらいながら、口腔機能を改善し、理想的なお口作りを目指します。
(6)治療の終了とアフターケア
理想的なお口の状況になって治療が終了するとマイオブレースの使用が終了しますが、そのあとも、継続的なアフターケアが重要です。歯並びを良好な状態で維持するために、歯並びを維持する保定装置(リテーナー)を使用し、また定期的に検診・メンテナンスを受けるようにしましょう。
以上が一般的なマイオブレースの治療の大まかな流れですが、患者さんそれぞれのお口の状態や進行によっては、治療計画が変更されることがあります。歯科医師とよく相談したうえで治療を進めることが大切です。
まとめ
マイオブレースは、患者さんの歯並びだけではなく、正しい舌の位置や呼吸の改善、正しい飲み込みの習慣などを促すことで、お口の周囲の筋肉のことも考えた治療を行います。理想とする口腔機能の改善をサポートし、これから顎や顔が発育していくお子さんの成長発育を誘導していく治療法です。
治療期間は、患者さんの状態や希望する治療のゴールによって異なります。また、治療終了後もその状態を維持できているか、習癖が再度出ていないかというフォローアップも重要です。
マイオブレースは、患者さんそれぞれのお口の状態に合わせたカスタマイズされた治療が行われるため、歯科医師との相談を通じて最適な治療プランを適宜修正していくこともあります。マイオブレースで、お子さんの理想的な成長発育を目指しましょう。
マイオブレースを検討されている方は、福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。