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マイオブレースとプレオルソの違いとは?特徴や治療のメリットを解説


歯科医院で診察を受けて笑う少女

こんにちは。福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」です。

こどもの矯正治療は、マウスピースを使用して顎の成長を促すことからスタートします。併せてお口周りの筋肉を鍛えるトレーニングを行うことで、歯並びが悪くなる原因を根本的になくすことも小児矯正の目的の一つです。

今回は、こどものマウスピース型矯正装置、マイオブレースとプレオルソの違いや、それぞれの特徴について解説します。それぞれのメリット・デメリットなどもご紹介するので、お子さまの歯並びにお悩みの保護者の方や、マイオブレースやプレオルソについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

マイオブレースとは?

マイオブレースを持ってわらう男の子

マイオブレースとは、3~15歳頃の成長期のこどもが使用するマウスピース型の矯正装置です。歯並びが悪くなる原因には、歯の大きさや顎の骨格などの遺伝もありますが、多くは口呼吸や指しゃぶりをしている、舌の位置が悪い、姿勢が悪いなど、生活習慣などが挙げられます。

マイオブレースは、大人のマウスピース矯正のように歯を動かして歯並びを整えるものではありません。マイオブレースを就寝中と日中に1~2時間(トータル8~10時間程度)装着し、マウスピースの装着と併せて毎日お口周りの筋肉を鍛えるトレーニングを行う治療法です。

マイオブレースを装着することで、舌や唇などのお口周りの筋肉を鍛えられるため、口が開きっぱなしになるポカン口や口呼吸の癖を改善できます。マイオブレースの装着と併せてお口周りの筋肉を鍛えるトレーニングを毎日行うことで、舌の位置を正しい位置に戻す、正しい嚥下方法を習得するなどの効果も期待できるでしょう。

マイオブレースによって歯を移動させるわけではありませんが、永久歯が並ぶ土台となる顎の骨の成長を促せるため、将来的に永久歯の歯並びを正しい位置にコントロールできるのです。

歯並びはお口周りの筋肉だけでなく、座り方や立ち方など、姿勢の影響も受けるといわれています。定期的な通院では、経過観察とともに姿勢改善のトレーニングも行います。

メリット

マイオブレースのメリットは、以下のとおりです。

  • 自由に取り外せる
  • 人前でマイオブレースを装着する必要がない
  • 違和感や痛みが少ない
  • 歯並びが悪くなる原因を取り除ける
  • 将来的に後戻りしにくい
  • 抜歯するリスクを下げられる

ワイヤー矯正の場合、金属製の装置を固定するため目立ちますが、マイオブレースはマウスピース型の矯正装置のため、自由に取り外せます。

就寝時以外は日中1~2時間程度しか装着しなくてよいので、学校や外出先など人前で装着する必要はありません。「口元が目立つのが嫌」「友達に見られたくない」というお子さまの気持ちも優先できることは大きなメリットでしょう。

マイオブレースを使うことで歯を移動させられるわけではありませんが、使用することで口呼吸や舌癖などの歯並びが悪くなる根本的な原因をなくせます。大人になってからでも矯正治療で歯並びを整えられますが、歯並びが悪くなる原因が取り除かれていないと再び歯並びが悪くなるかもしれません。

マイオブレース治療を受ければ歯並びが悪くない原因を取り除けるので、矯正治療が終わったあともきれいな歯並びのまま維持しやすいでしょう。

こどものうちにマイオブレースを使用して顎の成長を促すことで、永久歯を並べるスペースを確保できます。将来的に歯を抜くことなく、歯並びが整う可能性が高くなることもメリットです。

デメリット

マイオブレースのデメリットは、以下のとおりです。

  • 装着時間を守る必要がある
  • 毎日トレーニングしなければならない
  • お子さまの努力とご家族のサポートが必須である
  • 適応できないケースがある

マイオブレースは自由に取り外せるため、装着時間を守らなければ治療がうまく進みません。マイオブレースの装着時間を守る以外にも、毎日トレーニングを行わなければなりません。

そのため、お子さま自身が矯正治療の必要性を理解することが重要です。矯正治療へのモチベーションがなければ、途中で治療をやめたいと思うかもしれません。歯並びを整えることのメリットや重要性を説明し、治療中は歯科医院とご家族が一丸となってサポートする必要があるでしょう。

マイオブレースは、こどもの成長期に使用することで顎の骨のバランスを整え、歯並びを悪くする悪癖をなくすことを目的とした治療です。そのため、歯を大きく動かして治療する必要がある場合は対応できないことがあります。

マイオブレースを適応できるかどうかは歯科医師が判断します。お子さまの歯並びが気になる場合は一度歯科医院を受診しましょう。

プレオルソとは?

マウスピースを持って寝転ぶ男の子

プレオルソとは、4~10歳頃のこどもを対象にしたマウスピース型の矯正装置です。マイオブレースと同様に、歯を動かして歯並びを整える治療ではありません。

永久歯に生え変わる前の乳歯の時期にプレオルソを装着することで、顎の成長を最大限に利用し、永久歯の生えるスペースを確保します。正しい位置に永久歯が生えるようにコントロールする治療です。

就寝時と日中1時間程度プレオルソを装着し、お口周りの筋肉を鍛えるトレーニングも行います。永久歯が生えるスペースを確保しながら、歯並びが悪くなる原因である口呼吸や舌の位置を改善するのです。

また、プレオルソは上下一体型になっているため、上下の歯を全体で覆います。ごく軽度の出っ歯や受け口であれば、効率的に改善できることが特徴でしょう。

メリット

プレオルソのメリットは、以下のとおりです。

  • 柔らかい素材なので違和感や痛みが少ない
  • 自由に取り外せる
  • 装着時間が短い
  • 将来的に抜歯の回避や治療期間の短縮が期待できる
  • 虫歯や歯周病のリスクを下げられる

プレオルソは、柔らかいポリウレタン製のマウスピースのため、違和感や痛みが少なく自由に取り外せます。

プレオルソの装着時間は、就寝時と日中1時間程度なので、学校や外出先で使用する必要がないこともメリットでしょう。プレオルソを人前でつける必要がないので、矯正治療中の口元が気になるお子さまでもストレスなく治療を進められます。

プレオルソの目的は、顎の骨が柔らかい成長段階に使用して顎の骨の成長を促すことと、歯並びが悪くなる原因を根本的になくすことです。こどもの成長にあわせてプレオルソを使用すれば顎の骨の成長を促せるため、永久歯が生えるスペースを確保できます。

永久歯が生え揃ってから矯正治療が必要になっても、抜歯しなくても治療を進められる可能性や、治療期間を短縮できる可能性があるでしょう。

プレオルソによって歯並びが悪くなる原因を根本的になくすと、お子さまの成長にもよい影響があるといわれています。特に、口呼吸やポカン口を改善できることで、虫歯や歯周病のリスクを下げられます。長期的に歯を守ることにつながるでしょう。

口呼吸から鼻呼吸に改善することで、風邪をひきにくくなる、アレルギーを引き起こすリスクを下げられるなど、全身の健康にも影響を与えます。

成長期である4~10歳のこどもにプレオルソを使用することで、顎の成長を促して永久歯が生えるスペースを確保できるうえ、歯並びが悪くなる原因を根本的に解決できます。

デメリット

プレオルソのデメリットは、以下のとおりです。

  • 装着時間を守る必要がある
  • お子さまの努力とご家族のサポートが必須である
  • 適応できないケースがある

プレオルソは、就寝時と日中の1時間程度、トータルで約8~10時間装着しなければ効果が得られません。プレオルソを装着する以外に、お口周りの筋肉を鍛えるトレーニングと、舌癖を改善するトレーニングを毎日行う必要があります。

治療をうまく進めるには、お子さま自身の努力とご家族のサポートが重要になるでしょう。装着時間の管理や毎日のトレーニングの実施など、お子さまだけで治療を進めるのは難しいです。

漠然と「治療をがんばろう」と伝えるよりも、口呼吸から鼻呼吸に改善することの重要性や、舌癖を改善すると大人になってからも後戻りしにくいことなど、矯正治療で得られるメリットを具体的に説明しましょう。

プレオルソは、直接歯を移動させるのではなく、顎の成長を促すことで結果として歯並びを整える治療法です。歯を大きく動かして整える必要のある歯並びの場合、プレオルソでは対応できないでしょう。

プレオルソを適応できるかどうかは歯科医師が判断します。気になる場合はまずは歯科医院を受診して相談しましょう。

マイオブレースとプレオルソの違いとは?

顎に指を当てて首を傾げる女の子

マイオブレースもプレオルソも、装着して直接歯を移動させる矯正装置ではありません。

どちらも、こどもの成長期に使用して永久歯が並ぶための顎の骨の成長を促すこと、歯並びが悪くなる原因を根本的になくすことが目的の治療です。永久歯が生え揃うまでの顎の骨が柔らかい時期に使用することで、こどもの成長を最大限に利用しながら大きな効果が得られるでしょう。

マイオブレースとプレオルソの主な違いは、以下のとおりです。

<マイオブレースとプレオルソの違い>

治療方法 マイオブレース プレオルソ
形状 片顎型 上下一体型
素材 シリコン ポリウレタン
対象年齢 3~15歳 4~10歳

マイオブレースもプレオルソもマウスピース型の矯正装置ですが、マイオブレースは片顎型、プレオルソは上下一体型と形状が違います。プレオルソは上下の歯を覆うため、ごく軽度の出っ歯や受け口などの場合、効率的に改善できることが特徴です。

マイオブレースはシリコン製、プレオルソはポリウレタン製と、マウスピースの素材も違います。どちらも柔らかい素材なので、お子さまが治療中に感じる痛みやストレスは少ないでしょう。

マイオブレースは3~15歳、プレオルソは4~10歳と、対象年齢にも違いがあります。

マイオブレースは、乳歯が生え揃う前から永久歯が生え揃うまでの長い期間行える治療です。プレオルソは、乳歯が生え揃う頃から永久歯が生え揃うまでの間に行う治療です。

お子さまの口内の状態によって、治療を始める適切な時期は異なります。受け口の場合、叢生や出っ歯などよりも早い時期に治療を開始したほうがよいでしょう。

お子さまの矯正治療の開始時期や、どちらの装置を使用するのがよいかは、歯科医師が判断します。マイオブレースとプレオルソの違いや、どちらがお子さまに適しているのか知りたい場合は、歯科医師に相談しましょう。

まとめ

歯科衛生士と話してわらう少女

マイオブレースもプレオルソも、こども向けのマウスピース型矯正装置です。どちらも、直接歯を移動させて歯並びを整えるものではありません。

こどもの成長期に使用して永久歯が並ぶための顎の骨の成長を促すことと、歯並びが悪くなる原因を根本的になくすことが目的です。歯並びが悪くなる原因を根本的に解消できるだけでなく、将来的な抜歯のリスクを回避し、虫歯や歯周病のリスクを下げられるでしょう。

マイオブレースとプレオルソの目的は同じですが、マウスピースの形状や対象年齢などに違いがあります。お子さまの矯正治療の適切な開始時期やどちらの装置を使用するべきかは、歯科医師が判断します。

マイオブレースやプレオルソなど、小児矯正を検討されている方は、福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。