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Ⅰ期治療は早く始めたほうがいいの?タイミングとメリットを徹底解説


こんにちは。福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」です。

「子どもの歯並びが気になるけれど、矯正はいつから始めるのがベストなのだろう…?」という疑問は、多くの保護者の方が一度は抱く悩みです。中でも、乳歯や乳歯と永久歯が混在している時期に行うⅠ期治療は、「早いほうがいい」という声もあれば、「永久歯が生えそろってからで十分」という意見もあり、どうしたらいいか分からないという方も少なくありません。
今回は、Ⅰ期治療を早期に開始するメリット・デメリット、そして実際に治療を始める際の判断基準について詳しく解説します。

Ⅰ期治療とⅡ期治療の違い

Ⅰ期治療は、乳歯がすべてある時期または乳歯と永久歯が混在している時期(およそ6〜11歳)に行う矯正治療です。顎の成長をコントロールしたり、口の周りの筋肉機能を改善したりすることが目的で、いわゆる「子どもの矯正」はこのⅠ期治療にあたります。

Ⅱ期治療は、永久歯がすべて生えそろった後に行う本格的な矯正です。ブラケットやマウスピース型装置を使って歯を正しい位置に並べます。中学生以降〜成人が対象で、見た目や噛み合わせを仕上げる段階です。

成長と歯並びの関係

子どもの顔や顎は、成長とともに大きく形を変えていきます。特に顎の骨格は、歯並びや噛み合わせに直結する重要な部分です。顔を上から3等分して考えると、上1/3(おでこから目まで)は6歳の時点で約90%が完成しているといわれています。一方、下1/3(顎の部分)は、性別や個人差もありますが16〜18歳ごろまで成長が続きます。つまり、顎の成長は小学生以降も長く続くため、この時期の環境や習慣が最終的な歯並びに大きな影響を与えるのです。

また、顎の成長スピードや方向は、単に遺伝だけで決まるものではありません。食生活(硬い食べ物を噛むか、やわらかい食事が多いか)、呼吸の仕方(鼻呼吸か口呼吸か)、姿勢(猫背やうつ伏せ寝など)、そして日常的な癖(頬杖、爪かみ、指しゃぶりなど)によっても左右されます。例えば、口呼吸が続くと舌の位置が下がり、上顎が十分に発育せず横幅が狭くなることがあります。その結果、歯が並ぶスペースが不足し、前歯が重なったり八重歯になったりするのです。

このように、成長の途中で起こるわずかなズレや発育不足が、将来の歯並びに大きく響く可能性があります。永久歯が生えそろってからでは、顎の大きさや骨格のバランスを変えることは難しいため、「成長期のうちに正しい方向へ導くこと」がとても大切です。

歯並びが悪くなる原因

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歯並びの乱れは筋肉の影響も大きい

歯並びの乱れは、単に「歯の大きさ」と「顎のスペース」の関係だけで決まるわけではありません。見た目では分かりにくい口腔周囲筋(舌、唇、頬の筋肉など)の機能が、実は歯並びに大きな影響を与えます。たとえば、

● 舌が常に下がった位置にある
● 飲み込むときに舌で前歯を押してしまう(異常嚥下癖)
● 普段から口が開いていて口呼吸をしている

このような状態は、歯を内側や外側から押す力のバランスを崩し、少しずつ歯並びを乱してしまいます。

理想的な舌の位置とは

理想的な舌の位置は、何もしていないときに舌全体が上あごに軽く付いている状態です。この位置に舌があることで、舌が内側から上顎を押し広げ、歯並びのアーチを自然に整える手助けをしてくれます。一方、舌が下に落ちている状態ではこの力が働かず、上顎の幅が狭くなり、結果として歯が並ぶスペースが減ってしまいます。そのため、歯並びの乱れが生じやすくなるのです。

子どものうちに筋機能を整える重要性

口周りの筋肉の使い方や舌の位置を正しく習得できるのは、子どものうちが最も効果的です。成長期であれば、日常のトレーニングや矯正装置を用いることで筋機能を改善しやすく、将来的な歯並びの安定にもつながります。一方、大人になってからでは、長年の癖や筋肉の使い方を変えるのが難しく、仮に矯正で歯並びを整えても、元の状態に戻る「後戻り」が起こりやすくなります。

つまり、歯並びを整える上で重要なのは、「歯を動かすこと」だけでなく、「歯が正しい位置にあり続けるための環境づくり」です。骨格が柔らかく、筋肉が発達途上にある子どもの時期こそ、その環境を整える絶好のチャンスといえます。

Ⅰ期治療のメリット

Ⅰ期治療を適切な時期に始めることで、以下の効果が期待できます。

● 顎の成長を促し、永久歯が並ぶスペースを確保
● 筋機能の改善による安定した歯並びの維持
● 将来的に抜歯を避けられる可能性が高まる
● 顔のバランスを整えやすい
● 思春期前に治療を終えられ、心理的負担が少ない
● Ⅱ期治療が不要、または短期間で済むこともある

乳歯の生え方から永久歯の位置を予測することはできますが、大きさまでは分かりません。
スペース不足が予想される場合は、Ⅰ期治療で顎を広げることで、永久歯が正しい位置に生えやすくなります。

Ⅰ期治療で完結するのが理想

らいふ歯科クリニックでは、Ⅰ期治療のみで治療を終えることを理想としています。理由は、費用を抑えつつ、顔立ちと歯並びのバランスを整えられるからです。思春期というデリケートな時期に装置を付けなくて済むのも大きなメリットです。

ただし、永久歯がすべて生えた後も歯並びや噛み合わせに問題が残る場合は、Ⅱ期治療に移行します。この場合も、Ⅰ期治療で基礎を整えているとⅡ期治療の期間は短くなり、装置もシンプルで済むことがあります。

まとめ

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Ⅰ期治療は、顎の成長や筋機能の改善など、子どもの時期だからこそできることが多くあります。「早く始めたほうがいいの?」という問いに対しては、歯科医院で現状を確認してもらい、最適なタイミングを見極めることが大切といえます。乳歯のあるうちから専門的なチェックを受けることで、将来のお子さんの笑顔と健康を守りましょう。

お子さんのお口の中で気になることがある方は、福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院では、むし歯・歯周病の治療だけでなく、歯並びや噛み合わせの治療も行って健康で笑顔あふれる人生[らいふ]を送っていただけるよう努めています。0歳からのむし歯予防や小児の矯正治療なども対応しています。
当院のホームページはこちらWeb予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。