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インビザラインで治療できない症例と治療が適さない方を解説!
こんにちは。福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」です。
インビザライン矯正を検討中の方のなかには、ご自身の歯並びがインビザラインで治療できるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。
「インビザラインで治療できない症例は?」「インビザラインで治療できない場合の選択肢は?」など、疑問をお持ちの方もいるでしょう。
インビザラインは幅広い症例に対応可能ですが、すべての症例に対応できるわけではありません。また、治療ができる歯並びでもインビザライン矯正に適さない方もいますので、治療開始前に知っておきましょう。
今回は、インビザラインで治療できない症例について解説します。インビザラインの治療が適さない方、治療ができない場合の選択肢についても解説しますので、インビザライン検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
インビザラインとは?
インビザラインとは、マウスピース型の矯正装置を用いて歯並びを整える治療法です。透明で目立ちにくい、自分で着脱ができるなど従来の矯正にはない多くのメリットがあります。
インビザラインは世界で1,400万人以上が使用している実績があり、世界で広く信頼されています。技術の研究・改良を続けているため、あらゆる歯並びのお悩みに対応可能です。
インビザラインで治療できない症例
インビザラインは幅広い症例に対応できますが、すべての症例に対応できるわけではありません。
インビザラインで治療できない症例は、以下のとおりです。
重度の歯周病
重度の歯周病では矯正治療ができません。
歯周病が進行すると歯を支える歯槽骨が破壊され、歯がぐらつきます。矯正治療によって歯に力を加えることで、グラグラしている歯が抜け落ちる可能性があるのです。軽度の歯周病であれば、歯周病治療を行ったあとに矯正治療を開始できます。
しかし、重度まで進行するとインビザライン矯正だけでなく、ワイヤー矯正などそのほかの矯正治療も難しいでしょう。
重度の出っ歯
歯の傾きに原因がある軽度の出っ歯はインビザラインで治療できますが、重度の出っ歯は治療できません。
重度の出っ歯の原因は、上顎が大きく成長することによって上下の顎のバランスが悪くなることです。骨格に問題がある出っ歯の場合、矯正治療だけでなく外科手術を行い、骨の位置を改善する必要があります。
重度の叢生(そうせい)
叢生(そうせい)とは、歯が重なったりずれたりしてデコボコになっている歯並びのことです。
重度の叢生の主な原因は、顎が小さく歯が大きいことです。歯がきれいに並ぶためのスペースが不足し、歯並びが乱れます。治療には抜歯が必要になることもあり、大きく歯を動かす必要があるためインビザラインでは治療が難しいでしょう。
重度の受け口
受け口とは、下の歯が上の歯よりも前に出ている状態で「下顎前突(かがくぜんとつ)」「反対咬合(はんたいこうごう)」ともいわれています。軽度の受け口であればインビザラインで治療ができますが、重度の場合は治療できません。
重度の受け口は、上下の顎の骨がずれることで起こります。インビザラインは歯列矯正なので顎のズレを改善することはできません。顎の骨に問題がある受け口の場合、矯正治療だけでなく外科手術が必要となることもあります。
重度の過蓋咬合
過蓋咬合(かがいこうごう)とは、噛み合わせが深い状態のことです。奥歯で噛んだときに、下の前歯が上の前歯に隠れてほとんど見えません。
軽度の過蓋咬合であればインビザラインで治療できますが、重度の過蓋咬合の治療はできません。過蓋咬合のなかでも「上顎が大きい」「下顎が小さい」など骨格に問題がある症例では、矯正治療だけでなく外科手術が必要になる可能性があります。
抜歯の本数が多い
矯正治療では、歯をきれいに並べるスペースが足りない場合、抜歯をしてスペースを確保する必要があります。重度の歯列不正の場合、歯を並べるスペースを確保するために、複数の歯を抜歯しなければならないケースもあるでしょう。
抜歯の本数が多いと、歯の移動距離が長くなります。インビザライン矯正は歯を外側や内側に動かすのは得意ですが、平行移動は苦手としているため、抜歯の本数が多い場合は治療が難しいでしょう。
インプラントが複数入っている
インプラントが複数入っている方は矯正治療ができない可能性があります。これは、インビザラインだけでなく、ワイヤー矯正などそのほかの治療法も同様です。
インプラント治療では顎の骨に人工歯根を埋め込むため、インプラント治療を行った歯は歯根膜を失っています。矯正治療は歯根膜の収縮により歯を動かすため、インプラントの歯は矯正治療を行っても動きません。
埋状している歯がある
埋伏している歯があるとインビザラインで治療ができない可能性があります。埋伏とは、歯が完全に出てきていない状態のことです。
インビザラインはマウスピースを装着することで歯に力を加えて徐々に歯並びを整える治療法です。歯が埋伏しているとマウスピースがフィットせず、歯に適切な力を加えることができません。
インビザラインでの治療が適さない方
インビザラインで治療できない症例に該当しなくても、治療が適さない方もいます。
装着方法を守れない方
インビザラインのマウスピースは正しく装着しなければなりません。指だけで装着するとマウスピースと歯がぴったりとフィットせず浮くことがあるため「アライナーチューイー」という補助具を使用して正しく装着することが大切です。
マウスピースが浮いた状態で使用を続けると、歯が計画通りに動きません。歯を計画通りに動かすためには装着方法を守ることが重要なのです。
そのため、装着方法を守れない方はインビザライン治療に適さないでしょう。
マウスピースの管理ができない方
インビザラインは着脱ができるため、治療中はマウスピースの管理が必要です。マウスピースを破損・紛失すると作り直しが必要になり、治療期間が延長になる可能性があります。
そのため、マウスピースの管理ができない方はインビザライン治療に適さないでしょう。
口腔ケアをしっかりできない方
矯正治療中に虫歯や歯周病になると、矯正を中断して治療を行わなければなりません。
虫歯の大きさによっては治療後に歯の形が変わり、マウスピースの作り直しが必要になる可能性があるのです。マウスピースが作り直しになると、治療期間が延長して追加費用がかかることもあります。
そのため、口腔ケアをしっかりできない方はインビザライン治療に適さないでしょう。
装着時間を守れない方
インビザラインで歯を動かすためには、1日20~22時間マウスピースを装着しなければなりません。基本的に、食事と歯磨きのとき以外は装着が必要です。
取り外したまま装着するのを忘れたり、取り外す頻度が多かったりして装着時間を守れないと計画通りに歯を動かせません。
そのため、マウスピースの装着時間を守れない方はインビザライン治療に適さないでしょう。
定期的に通院できない方
矯正治療中は定期的に歯科医院への通院が必要です。矯正治療をスムーズに進めるためには、歯が計画通りに動いているか、虫歯や歯周病などのトラブルが起きていないかを定期的に確認してもらう必要があります。
定期的に通院ができない方は、何らかのトラブルがあっても早期に対応できず、十分な治療効果が得られない可能性があります。
インビザラインで治療できない場合はどうしたらいい?
インビザラインで治療できない場合は、以下の治療法によって矯正できる可能性があります。
- ワイヤー矯正
- 裏側矯正
- ワイヤー矯正と併用
それぞれ詳しく解説します。
ワイヤー矯正
インビザライン矯正では治療が難しい症例でも、ワイヤー矯正であれば治療できる可能性が高いです。
ワイヤー矯正とは、歯の表面にブラケットという装置を取り付け、そこにワイヤーを通して力を加え、歯を移動させる治療法です。装置の取り付けや調整は歯科医院で行うため、インビザラインのように自分で取り外せません。
しかし、ワイヤー矯正は軽度から重度まで、さまざまな症例に対応できます。ワイヤーの強い力で締め付けるため、そのぶん痛みや違和感も出やすいですが、数日で慣れることがほとんどです。
また、ワイヤー矯正では金属製の銀色のブラケットやワイヤーの見た目が気になり敬遠される方も少なくありませんが、最近はワイヤー矯正でも目立たない装置を選択できるようになりました。
ワイヤー矯正の見た目が気になる方は、白いブラケットやワイヤーなどを選択するとよいでしょう。
裏側矯正
裏側矯正もインビザラインが治療できない症例に適した治療法です。
裏側矯正では、歯の裏側にブラケットとワイヤーを取り付けて歯を動かします。矯正装置が見えないため、ワイヤー矯正に抵抗がある方でも見た目を気にすることなく治療が可能です。
ただし、歯の裏側に矯正装置を取り付けるため、滑舌に影響が出ることがあります。また、表側のワイヤー矯正よりも費用が高いという点もデメリットといえるでしょう。
ワイヤー矯正との併用
インビザラインのみで治療ができない場合は、ワイヤー矯正を併用することで治療できる可能性があります。歯の回転や平行移動など、インビザラインが苦手とする動かし方をワイヤー矯正で行い、細かい調整をインビザラインで行う方法です。
インビザラインとマウスピースを併用することで、それぞれの治療法のメリットを生かしながら治療できます。
まとめ
インビザラインはあらゆる歯並びのお悩みに対応可能ですが、すべての症例を治療できるわけではありません。
骨格に問題がある重度の歯列不正や、歯を大きく移動させる症例はインビザラインでは治療ができません。重度の歯周病やインプラントが複数入っている、埋まっている歯があるなど、歯や歯茎の状態によっても治療ができないこともあります。
また、自己管理が難しい方や定期的に通院ができない方など、インビザライン矯正に適していない方もいます。
インビザラインで治療できない場合もほかの方法で治療できる可能性があるため、矯正を諦める必要はありません。歯並びでお悩みの方は、まずは歯科医師に相談しましょう。
インビザラインを検討されている方は、福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。