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歯周病治療の費用・治療法・期間と治療を受けるときの注意点

こんにちは。福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」です。
歯ぐきからの出血や口臭、歯のぐらつきなどの症状が現れる歯周病は、日本人の成人の多くがかかっているといわれる身近な病気です。
放置すると歯を失う大きな原因となり、さらには糖尿病や心疾患など全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、早期に適切な治療を受けることがとても重要です。
しかし、実際に歯周病の治療を考えたとき「どのような治療を行うのか」「費用はどれくらいかかるのか」といった不安を抱く方は少なくありません。歯周病の治療にかかる費用は症状の進行度や治療方法、保険診療か自費診療かによって大きく異なります。
今回は、歯周病の治療にかかる費用や歯周病の治療法などについて解説します。
歯周病の治療法

はじめに歯周病を治療する方法について解説します。
歯周基本治療
歯周基本治療とは、歯周病の進行を抑え、歯ぐきや歯を健康な状態に戻すための初期段階の治療のことを指します。
歯周病は、歯と歯ぐきの間にプラークや歯石がたまり、炎症が広がることで進行します。そのまま放置すると歯を支える骨まで溶かしてしまうため、早期の対処が非常に重要です。
歯周基本治療では、歯周病の原因となる細菌を徹底的に取り除くことが目的です。主な内容としては以下のような処置が行われます。
スケーリング(歯石除去)
歯周病の初期段階では、歯の表面や歯ぐきの境目に付着した歯石やプラークを取り除くスケーリングが行われます。歯石は歯ブラシでは除去できないため、専用の器具で徹底的に取り除くことが重要です。
ルートプレーニング
歯周病が進行し、歯周ポケットが深くなった場合には、歯根の表面に付着した歯石や感染組織を除去するルートプレーニングが必要です。これにより歯ぐきが歯に再び密着しやすくなり、炎症を抑えることができます。
ブラッシング指導
ブラッシング指導とは、歯科医院で歯科医師や歯科衛生士が患者さんに対して正しい歯磨きの方法を指導することです。患者さん自身が毎日行う歯磨きの質を高めることが、歯周病治療の基盤となります。
歯周病の大きな原因は、歯に付着したプラーク(歯垢)ですが、毎日の歯磨きだけでは十分に取り除けていないことが多いのが現実です。そこで、患者さん一人ひとりの歯並びやお口の状態に合わせた磨き方を学ぶことが、予防や治療の第一歩となります。
歯周外科治療
重度の歯周病では、歯ぐきを切開して歯周ポケットの奥深くにたまった歯石や感染組織を取り除く外科的治療が行われることもあります。また、失われた骨を再生させる歯周組織再生療法が行われるケースもあります。
歯周病治療の流れ

歯周病治療は、一般的に以下の流れで行われます。
検査と診断
まずは歯科医院で歯周ポケットの深さや出血の有無、歯の動揺度をチェックし、歯周病の進行度を診断します。レントゲン撮影を行い、骨の吸収状態を確認することもあります。
ブラッシング指導
治療の第一歩は、患者さん自身によるセルフケアの改善です。正しい歯磨き方法やデンタルフロスの使い方の指導を受け、日常的にプラークを減らす習慣を身につけます。
スケーリング・ルートプレーニング
専用の器具を使用して歯石や歯根に付着した細菌を徹底的に除去します。これにより炎症が改善し、歯ぐきが引き締まって歯周ポケットが浅くなることが期待されます。
再評価
初期治療の効果を確認するために、再度検査を行います。改善が見られればメンテナンスへ移行し、改善が不十分な場合には外科的治療を検討します。
歯周外科治療
重度の場合には、歯ぐきを切開して奥深くの歯石や感染組織を取り除きます。必要に応じて歯周組織再生療法が行われることもあります。
メンテナンス
治療が完了しても油断は禁物です。歯周病は再発しやすいため、定期的な検診とクリーニングを続けることが、歯の寿命を延ばすカギとなります。
歯周病を治療する場合にかかる費用

歯周病を治療する場合にかかる費用は、保険診療か自費診療かで異なります。
保険診療の場合
歯周病治療の多くは健康保険が適用されるため、比較的低コストで受けられます。
スケーリングやルートプレーニングなどの基本的な治療は、1回あたり2,000円〜4,000円程度が目安です。重度の状態にまで進行し、外科的な処置が必要になる場合には、1万5,000円〜2万円程度に収まるケースが多いです。
自費診療の場合
審美性や高度な再生治療を希望する場合は自費診療になります。歯周組織再生療法は1か所あたり5万〜30万円程度が相場です。自由診療は費用が高額になる一方で、見た目や機能の回復度が高いのが特徴です。
メンテナンスの費用
治療後の定期的なメンテナンスも欠かせません。保険診療では1回3,000円前後が一般的で、自費診療では5,000円〜1万円程度かかることもあります。定期的な通院は負担に感じるかもしれませんが、再発防止と長期的な歯の健康維持を考えると重要な投資といえます。
歯周病を治療する場合にかかる期間と通院頻度

ここでは、歯周病を治療する場合にかかる期間と通院頻度について解説します。
初期治療の場合
初期段階の歯周病であれば、スケーリングやブラッシング指導などの基本治療で改善が見込めます。この場合、1〜2か月ほど、2回ほどの通院で症状が落ち着くことが多いです。
中等度の治療の場合
歯周ポケットが深くなっている場合には、ルートプレーニングなどの徹底したクリーニングが必要です。1〜2か月にわたって3〜5回ほど通院し、経過を見ながら改善を確認していきます。
重度の治療の場合
外科的処置や歯周組織再生療法が必要な場合、半年以上の長期的な治療になることがあります。処置後も経過観察が続き、定期的に歯ぐきの状態をチェックすることが欠かせません。
メンテナンス期の通院頻度
治療が終了したあとも歯周病は再発しやすいため、3〜6か月ごとに定期的な通院が必要です。定期的なチェックとクリーニングを行うことで、治療の成果を長く維持しやすくなります。
歯周病を治療するメリット

歯周病を治療するメリットは、以下のとおりです。
歯を失うリスクを減らせる
歯周病は歯を失う最大の原因とされます。治療を行うことで炎症を抑え、歯ぐきや骨を守ることができ、将来的に歯を失うリスクを大幅に下げられます。
口臭の改善
歯周病は口臭の大きな原因のひとつです。歯石や歯周ポケットに潜む細菌を取り除くことで口臭が改善し、人前で安心して会話ができるようになります。
噛む力の回復
歯周病が進行すると歯がぐらつき、噛む力が弱まります。治療によって歯を安定させれば、硬いものもしっかり噛めるようになり、食事を楽しむことができます。
全身の健康への良い影響
近年の研究では、歯周病が糖尿病や心臓病、脳梗塞などの全身疾患と深い関わりがあることがわかっています。歯周病を治療することで全身の健康リスクを下げることができるのも大きなメリットです。
見た目と自信の向上
歯ぐきの腫れや出血が改善され、口元の見た目が健康的になります。笑顔に自信が持てるようになり、心理的なメリットも得られます。
歯周病治療を受けるときの注意点

ここでは、歯周病治療を受けるときの注意点について解説します。
治療には継続が必要
歯周病は一度治療しても再発しやすい病気です。初期治療や外科処置で症状が改善しても、継続的な通院とセルフケアを怠ると再び悪化する可能性があります。
自己流のケアでは不十分
歯周病の進行を防ぐため、また再発を防ぐためには毎日の歯磨きが欠かせませんが、自己流では磨き残しが生じやすいものです。歯科医院で正しいブラッシング方法を指導してもらい、デンタルフロスや歯間ブラシを取り入れることが重要です。
支えとなる生活習慣の改善
喫煙や偏った食生活、ストレスは歯周病の悪化につながります。治療の効果を高め、再発を防ぐためには、生活習慣全般の見直しが必要です。
費用と期間を理解しておく
歯周病治療は症状や治療内容によって費用や期間が異なります。特に自費治療を選択する場合は高額になることもあるため、事前に見積もりや治療計画を確認しておくことが大切です。
治療後も定期的に歯科検診を受ける
治療が終わったあとも3〜6か月に1回の頻度で定期検診を受けることが重要です。早期に異常を発見し、適切な処置を行うことで、健康な口腔環境を維持できます。
まとめ

歯周病は、日本人が歯を失う最大の原因とされる病気であり、進行すると口腔内だけでなく全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。
治療にはスケーリングやルートプレーニングといった基本処置から、重度の場合には外科的治療や再生療法までさまざまな方法があります。費用は保険診療が中心で数千円から数万円程度に収まることが多いですが、自費診療を選ぶとより高度で審美性の高い治療が可能です。
歯周病治療を受けることで、歯を失うリスクを減らし、口臭や噛む力の改善、さらには全身の健康リスクを抑える効果が得られます。
歯周病の治療にかかる費用を事前に理解しておくことで、不安を減らしながら安心して治療に臨むことができます。大切な歯を守るために、早めの受診と継続的なケアを心がけましょう。
歯周病の症状にお悩みの方は、福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯・歯周病の治療だけでなく、歯並びや噛み合わせの治療も行って健康で笑顔あふれる人生[らいふ]を送っていただけるよう努めています。0歳からの虫歯予防や小児の矯正治療なども対応しています。