ブログ
歯周病の治療の流れを解説!進行している場合の治療方法や治療期間と費用
こんにちは。福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」です
歯周病は、虫歯とともに日本人が歯を失う最も大きな理由の病気です。
しかし、軽度のうちに発見し、適切な治療をすれば歯の喪失を防げます。「歯周病の治療ではどんなことをするの?」「歯周病の治療は長期間かかるの?」と疑問をお持ちの方もいるでしょう。
本記事では、歯周病の治療の流れや期間、費用など治療について徹底解説します。
歯周病ってどんな病気?
歯周病は、歯茎や骨など歯の周りの組織が炎症を起こす病気です。初期段階では自覚症状がほとんどありませんが、歯茎が腫れたり赤くなったりし、歯磨きで出血することもあります。
歯周病が進行すると、歯茎や骨の炎症がひどくなり、出血や排膿などの症状が顕著になります。口臭も発生するため、周囲の人に不快な思いをさせることも少なくありません。
炎症が進んで歯槽骨が溶けると、支えとなる土台をなくした歯がグラグラとし始め、最終的には抜け落ちます。
歯周病の原因と症状
歯周病の主な原因は、歯と歯茎の隙間に溜まったプラークです。プラークには、歯周病菌をはじめとする多くの細菌が潜んでいるため、歯周組織に炎症が起こります。
細菌が歯と歯茎の間の歯周ポケットへと侵入するため、ポケットが深くなり歯石も溜まります。歯石があると細菌やプラークが溜まりやすくなり、どんどん歯周病が悪化します。
軽度の歯周病は、歯茎に炎症が起きている状態です。歯周ポケットの深さは3mm以上になります。中度の歯周病は、骨を含めた周囲の組織が破壊されている状態です。歯周ポケットの深さは4mm〜7mmに深くなります。
重度の歯周病では、顎の骨が大きく溶かされ、歯がぐらつきます。排膿などの症状が現れるので、口臭が悪化したと感じる方も多いです。歯周ポケットの深さは、8mm以上になります。
初期の頃はほとんど自覚症状がないため、気付かないうちに進行することも少なくありません。
歯周病を放置するリスク
歯周病を放置すると、歯を支える骨が溶けていずれ歯を失います。歯を失うことで、以前のように食事や会話を楽しめなくなったと感じる方は少なくありません。さらに、歯周病は全身の健康とも大きく関係しています。
例えば、歯周病菌や炎症によって発生した毒素が、血液を介して全身を回ると心臓病や脳卒中を発症するリスクがあります。また、歯周病は糖尿病や低出生体重児・早産との関係が深いです。
歯周病の治療の流れ
歯周病を放置すると、歯を失うだけでなく全身の健康にも悪影響を及ぼします。そのため、できるだけ早く治療をすることが欠かせません。
歯周病の治療は、主に自宅で行う口腔管理と病院で行う治療の2つに分かれます。どちらが欠けても歯周病の治療はスムーズに進みません。
本項目では、それぞれの治療内容の流れについて解説します。
歯科医院の治療の流れ
歯科医院での歯周病の治療では、細菌と細菌の繁殖源である歯石などを取り除く処置をします。具体的な流れは、次のとおりです。
- 検査
- 歯垢・歯石の除去
- 再検査
まずは検査をして、出血や排膿はあるか骨が溶けていないか、歯石が溜まっていないかなどを調べます。歯周病の進行具合を確認し、治療方針を立てます。
その後、機械を使って歯茎の上についている歯石やプラークを取り除くスケーリングという処置を行います。軽度の歯周病の場合、スケーリングだけでも歯茎の炎症を改善できることがあります。
次に、歯の根についている歯石や細菌などを取り除き、歯根をツルツルにするためにルートプレーニングという処置を行います。専用の器具を使って手作業で行うため、数回かかることもあるでしょう。
歯垢・歯石の除去が終わった後で再度検査をして、歯茎の状態が回復に向かっているかチェックします。回復に向かっていると判断された場合は、定期検診で経過観察・メンテナンスを続けます。
自宅でできる口腔管理
歯科医院の治療だけで歯周病を治すのは難しいです。食事をするたびにプラークが溜まるため、口腔ケアを徹底しなければ歯周病菌が増殖し続けるからです。プラークを取り除くためには、自宅でしっかりと口腔ケアをすることが不可欠です。
歯科医院で正しい歯磨きの仕方を習い、自宅で実践しましょう。歯ブラシの毛先が、歯と歯茎の間にしっかりと当たっているのを確認して小さく動かします。力は入れず、優しく磨くことを意識してください。
また、デンタルフロスや歯間ブラシなどのツールを併用し、歯ブラシだけでは落とせない歯と歯の間のプラークをしっかり落とすことも大切です。歯ブラシや歯間ブラシを使うと出血することもありますが、歯磨きをやめるのではなく優しくケアしてください。
汚れを取り除けて歯茎が引き締まってきたら、出血の頻度も低くなります。
歯周病が進行している場合の治療方法
歯周病が悪化すると、歯を残せなくなります。
しかし、歯を失うとさまざまな悪影響が出てくるので、できるだけ歯を残すために治療する必要があります。歯周病が進行している場合や、上記の治療法だけでは回復が見られなかったケースでは外科手術を実施します。
本項目では、歯周病が進行している場合の治療法について見ていきましょう。
フラップ手術
歯茎を切開して歯根を露出させ、歯根に付着した汚れを除去する手術です。また、歯石がついてザラザラした状態だった歯根を滑らかにして、歯周ポケットを浅くする効果も期待できます。
フラップ手術の流れは、下記のとおりです。
- 麻酔
- 歯茎の切開
- 歯垢・歯石の除去
- 歯茎の縫合
まずは局所麻酔をして、患部を麻痺させます。その後、メスで歯茎を開いて歯根が見える状態にします。歯根を露出させたら歯石などを取り除き、歯茎を元に戻して縫合します。
手術後数日が経過したら、抜糸をします。手術自体は大掛かりなものではありませんが、手術後は安静にしてください。
歯周組織再生療法
歯周組織再生療法は、歯周病によって失われた骨や歯周組織を再生するための治療です。歯周基本治療やフラップ手術をすると、歯周病の進行は止まり歯茎の状態が回復します。
しかし、溶かされた骨は戻せません。そのため、歯周組織再生療法で、骨が再生されるようにアプローチすることがあります。
主な歯周組織再生療法は、下記の2つです。
- エムドゲインやリグロス
- GTR法
エムドゲインやリグロスは、骨の活性化を促す薬です。多くの場合、フラップ手術と同時に行い、歯石を取り除いた後に薬を塗布して縫合します。
GTR法は、特殊な膜を設置して骨が回復するまで待つ処置です。
歯周病の治療期間
健康な口の状態を取り戻すためにスケーリングや歯石除去の処置を行いますが、数回通院しなければなりません。また、その後も歯茎の状態が改善されるのを待つ必要があるため、治療期間がかかります。
治療にかかる期間の目安は、次のとおりです。
- 軽度:1か月〜3か月
- 中度:3か月以上
- 重度:6か月〜1年以上
歯周病が悪化すればするほど、治療期間が長引きます。重度になると外科手術が必要なケースも多く、1年以上かかることも珍しくありません。
治療が長引くのを防ぐためにも、できるだけ早く治療を開始するほうがよいでしょう。歯周病の治療がひと段落し歯茎の状態が落ち着いた後も、定期的にメンテナンスに通う必要があります。
歯周病治療の費用
歯周病は、保険適用で治療ができます。3割負担の方の場合の目安は、次のとおりです。
- 軽度:5,000円〜1万円
- 中度:1万円〜1万5,000円
- 重度:1万5,000円〜2万円
保険適用外の外科的処置をする場合などは、費用の負担が増加するでしょう。自由診療の場合、金額は歯科医院によって異なりますので治療開始前に確認しましょう。
まとめ
今回は、歯周病の治療内容や流れについて解説しました。歯周病だと分かったら、病気の原因である細菌・プラーク・歯石などを取り除く処置をしなければなりません。そのため、歯科医院での処置と自宅での口腔ケアを並行します。
正しい口腔ケアの方法は、歯科医院で歯科医師や歯科衛生士に教わりましょう。歯周病の発見が遅れ、症状が悪化するほどに治療期間も費用もかかります。定期検診やメンテナンスを心がけ、口腔内の健康に対する意識を高めましょう。
歯周病治療を検討されている方は、福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯・歯周病の治療だけでなく、歯並びや噛み合わせの治療も行って健康で笑顔あふれる人生[らいふ]を送っていただけるよう努めています。0歳からの虫歯予防や小児の矯正治療なども対応しています。