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マイオブレースを使った受け口(反対咬合)の治療法について解説! 


マウスピースを口に入れる男の子

こんにちは。福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」です。

マイオブレースを使ったこどもの受け口(反対咬合)の治療法について、気になっている保護者の方がいるのではないでしょうか。

近年、噛み合わせや歯並び、顎の成長発達などに問題のあるこどもは増加傾向にあります。この記事を読んでいる方のなかには、お子さんが受け口(反対咬合)ではないかと心配されている方もいるでしょう。

小児矯正の方法の一つにマイオブレースというこども用のマウスピース型矯正装置があります。これは従来の矯正と違い、口内環境の改善にも効果のある治療法です。

今回は、受け口(反対咬合)の定義や原因、マイオブレースを使った治療について解説します。こどもの受け口(反対咬合)を放置したときに考えられるリスク、受け口(反対咬合)にならないための予防法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

マイオブレースで受け口(反対咬合)を治療することは可能?

黄色のボックスに白いクエスチョンマークが書かれている

マイオブレースとは、こども用のマウスピース型矯正装置のことです。反対咬合、いわゆる受け口の症状や噛み合わせを改善する目的で使われます。

通常、マウスピース矯正では、歯を動かすことで歯並びをきれいに整えていきます。

一方でマイオブレースを用いた小児矯正は、歯を動かすだけではありません。歯の周囲の筋肉や顎などにも働きかけて、成長・発達を促します。

歯の周囲の筋肉や顎などにも働きかけることにより、口全体の機能を正しくするように導き、きれいな歯並びを目指すのです。つまり、マイオブレースはこどもの成長・発達を活かした矯正治療といえるでしょう。

そもそも受け口(反対咬合)とは?

歯の模型で説明をする歯科医師

まず、受け口(反対咬合)とは、そもそもどのような状態を指すのでしょうか。

受け口(反対咬合)は、下の歯が上の歯よりも前に出ている歯並びのことです。下顎前突とも呼ばれます。

受け口(反対咬合)は、噛み合わせや見た目の問題だけでなく、体の歪みや肩こり、頭痛などの原因ともなり得ます。口の中だけでなく、全身にも影響する可能性があるのです。

また、受け口(反対咬合)はしゃくれとは異なります。しゃくれは、顎の長さなどによって下顎が出て見える場合に表現することが多いです。

こどもが受け口(反対咬合)になる原因

両手で口を押さえる女の子

こどもが受け口(反対咬合)になる原因としては、先天的なものと後天的なものに分けられます。

具体的には、以下のとおりです。

  • 遺伝
  • 口呼吸
  • 前歯の生え変わり
  • 指しゃぶりなどの癖

それぞれ詳しく解説します。

遺伝

受け口(反対咬合)の原因として、まず親の遺伝が考えられます。上顎と下顎のバランスが悪い場合などには、遺伝的な要素が原因になっているケースも多いでしょう。また、両親だけでなく、親戚から遺伝する場合もあります。

ただし、必ずしも遺伝するとは限らないため、実際にお子さんの歯や顎の状態などを確認することが大切です。

口呼吸

口呼吸の場合は常に口を開けて呼吸しているため、舌の位置が下がりやすくなります。舌の位置が下がると、気道が狭くなって下顎が前に出る原因となるのです。

また、習慣的に口呼吸をしていると、顎の筋肉なども口呼吸に合わせて変化します。口呼吸で顎の筋肉が変化することで、さらに受け口(反対咬合)が進行するでしょう。

前歯の生え変わり

前歯が生え変わる際のトラブルも、受け口(反対咬合)の原因となり得ます。例えば、本来の位置よりも上の前歯が内側に生える、下の前歯が外側に生えるといったケースです。

指しゃぶりなどの癖

受け口(反対咬合)の原因として、口周りの癖も挙げられます。例えば、指しゃぶり・爪を噛む・歯を舌で押すなどの行為です。また、食事をする際にどちらか一方の歯ばかりを使っている場合も当てはまります。

こどもの受け口(反対咬合)を放置するリスク

木製の四角のブロックが積まれている

こどもの受け口(反対咬合)を放置すると、どのようなリスクがあるのでしょうか。

こどもの受け口(反対咬合)を放置するリスクは、主に以下のとおりです。

  • 見た目の問題
  • 咀嚼や嚥下への影響
  • 発音への影響
  • 歯や顎への負担
  • 虫歯や歯周病などのリスク

それぞれ詳しく解説します。

見た目の問題

まず、見た目の問題が考えられます。成長とともに顎も発達するため、徐々に見た目にも影響してくるでしょう。口元が気になることで、コンプレックスにつながる恐れがあります。

咀嚼や嚥下への影響

受け口(反対咬合)は噛み合わせのバランスが悪いため、咀嚼機能や嚥下機能が低下する可能性があります。咀嚼機能や嚥下機能が低下すると消化にも関係してくるため、健康面に影響を及ぼすこともあるでしょう。

発音への影響

受け口(反対咬合)になると滑舌が悪くなる傾向があるため、状況によっては日常生活での会話に影響します。特に「さ行」や「た行」の発音がはっきりしないことが多いでしょう。

歯や顎への負担

受け口(反対咬合)では、一部の歯に負担がかかりやすいです。そのため、負担がかかっている歯がすり減る場合や折れる場合があります。また、顎に負担がかかることで、顎関節症を引き起こすケースもあるでしょう。

虫歯や歯周病などのリスク

受け口(反対咬合)によって口が閉じにくくなると、口呼吸になることがあります。口呼吸になると、口内環境の悪化を招き、虫歯や歯周病のリスクが高くなるでしょう。

マイオブレースのメリット

顔が描かれた3つの丸いブロック

マイオブレースのメリットは、以下のとおりです。

  • 抜歯の必要がない
  • 見た目が気にならない
  • 痛みが少ない
  • 後戻りしにくい

小児期にしか行えない治療法ですが、正しい呼吸法や舌の使い方を身につけるなど、健康的に歯並びを整えられる方法といえます。

マイオブレースを使った受け口(反対咬合)の治療法

歯科医院で治療を受ける男の子

マイオブレースを使った治療では、歯並びを整えるほか、癖や習慣の改善も重要なポイントです。基本的には、日中に1時間、トレーニング中や睡眠中にマウスピースを装着し、癖や習慣の改善をはかります。

トレーニングでは、まず正しい呼吸法の練習をします。その後、舌の位置を意識して、うまく飲み込みができるようになったら、唇のトレーニングに進むのが一般的です。

また、1か月に1回ほどのペースで歯科医院を受診し、自宅でのトレーニングが問題なく行えているか確認します。

適応年齢

マイオブレースの適応は、5~15歳です。なかでも、小学生の間に使用するのが最も効果的だといわれています。

トレーニング期間

トレーニング期間は、1~2年ほどが目安です。6歳頃からトレーニングを開始すれば、小学校高学年頃にはよい顎の状態になるでしょう。

こどもが受け口(反対咬合)にならないための予防法

両手を添えて前に出している

受け口(反対咬合)は、自然に治ることは少ないといわれています。そこで重要となるのが、予防法です。

赤ちゃんの時期からできる、以下の予防法を実践しましょう。

  • 適切な哺乳瓶を選択する
  • おしゃぶりを使う

それぞれ詳しく解説します。

適切な哺乳瓶を選択する

口周りの筋肉の発達のためには、哺乳瓶の選択も重要なポイントです。できるだけ吸う力を必要とするタイプの哺乳瓶を選びましょう。また、可能であれば母乳育児をすることで、吸う力が強まります。

おしゃぶりを使う

睡眠中などに口が開いたままだと、下顎が前に出てくる可能性があります。おしゃぶりを使うことで、下顎が前に出るのを予防できるでしょう。また、おしゃぶりには鼻呼吸を促す効果も期待できます。

まとめ

歯科の椅子に座る女の子

今回は、マイオブレースを使ったこどもの受け口(反対咬合)の治療法について解説しました。

永久歯が生えそろってから受け口(反対咬合)の治療をすると、手術など大がかりな治療が必要となるケースがあります。そのため、お子さんが「受け口かもしれない」と思ったら、早い段階で負担の少ないマイオブレースを使った矯正を始めるとよいでしょう。

それぞれのお子さんの状況に合わせたトレーニング方法の提案が可能であるため、受け口(反対咬合)が気になる場合には歯科医師に相談しましょう。

マイオブレースを検討されている方は、福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。