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小児矯正の種類について | 種類別の特徴や費用と期間、選び方の解説
こんにちは。福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」です。
小児矯正は、子どもの成長に合わせて適切なタイミングで始めることが大切です。小児矯正で使用する装置には、さまざまな種類があり特徴が異なります。そのため、どの治療法を選ぶべきか迷う保護者の方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、小児矯正で使用する装置の種類とそれぞれの特徴について解説していきます。
小児矯正の種類[〜12歳]
小児矯正は成長期の子どもを対象とした治療法で、歯並びや噛み合わせの問題を早期に改善し、将来の本格的な矯正治療をスムーズに進めることを目的としています。ここでは、小児矯正のなかでも12歳までにおこなうと効果的な一期治療の主な種類をご紹介します。
拡大床
拡大床は、歯を頬側に広げるための装置です。取り外し可能なプレートの中央に付いているネジを定期的に回して装置を少しずつ広げることで、歯を並べるスペースを確保します。歯が生えるスペースが不足している場合や、軽度の歯列不正がある場合に適応となります。
メリットとデメリット
拡大床のメリットは、取り外し可能で清掃がしやすい点です。歯磨きがしやすく、装置を装着していない間は口腔内を清潔に保ちやすいため、虫歯や歯周病などの疾患を回避できます。
また、歯を頬側に広げて歯を並べるスペースを確保することができれば、抜歯矯正を回避できる可能性があります。
ただし、装置を毎日決められた時間装着する必要があるため、子どもの協力が必要不可欠です。装着時間を守らないと治療効果が出にくくなるため注意しましょう。
急速拡大装置
急速拡大装置は、主に上あごを横方向に広げるための固定式の装置です。装置の中央にあるネジを回すことで、短期間で上あごを拡大し、歯を並べるスペースを作ります。上あごが狭く、歯が重なり合っている症例や、上顎が下顎よりも狭いケースで使用されます。
メリットとデメリット
急速拡大装置は短期間で効果を得られる点が大きなメリットです。あごの横幅を広げることで将来的に抜歯矯正を回避できることも期待できます。また、鼻腔も広がるため口呼吸の改善につながるメリットもあります。
ただし、固定式のため清掃が難しく歯磨きに時間がかかる点や、装置による軽い痛みや違和感を伴うことがある点はデメリットといえます。治療中は定期的なチェックが必要です。
バイトプレート
バイトプレートは上下の噛み合わせを調整する装置で、噛み合わせが深い過蓋咬合の改善に効果があります。噛み合わせを調整して下あごを適切な位置に誘導する役割もあります。そのため、過蓋咬合の他にも噛み合わせがずれている場合に適応となります。
メリットとデメリット
バイトプレートは噛み合わせを自然に改善しながら、あごの成長をサポートできる点がメリットです。取り外しが可能で衛生管理がしやすい点もメリットといえるでしょう。
ただし、毎日の装着が必要で自己管理が必要不可欠になります。治療効果を維持するためには継続的な通院が必要です。
リンガルアーチ
リンガルアーチは、下あごに装着する装置で歯列を広げて歯の移動をコントロールすることで永久歯が生えるスペースを確保します。下あごの歯列が狭く、スペース不足がある場合に適応となるケースが多いです。
メリットとデメリット
リンガルアーチはシンプルな構造なので違和感が少ない装置です。固定式のため効果が持続しやすく、自己管理の必要もありません。永久歯が自然に並ぶスペースを確保できる点が大きなメリットといえるでしょう。
ただし、固定式のため歯磨きが難しく、プラークや食べカスが残りやすいため、丁寧に歯磨きをする必要があります。
バイオネーター
バイオネーターは、筋肉の働きを利用してあごの骨の成長や歯並びが適切になるように促す矯正装置です。上あごと下あごの成長のバランスを整えることで、出っ歯や過蓋咬合、軽度の歯列不正の改善が期待できます。
メリットとデメリット
バイオネーターは取り外し式のため、食事や歯磨きが普段通り行える点がメリットとして挙げられます。また、成長期のあごの成長を利用して治療を進めるため、体への負担が少ないという点も特徴です。
ただし、装着時間を守るないと十分な効果が得られないため本人や保護者の方の自己管理が必要不可欠です。装置は紛失や破損のリスクがあるため取り扱いには注意しましょう。
フェイシャルマスク
フェイシャルマスクは上顎前方牽引装置とも呼ばれ、上あごの成長が遅れている受け口の子どもに用いられる矯正装置です。上あごの成長が遅いと顔全体のバランスが崩れ、将来的に骨格的な問題が生じるリスクが高くなります。
フェイシャルマスクは、顔の前面に装着し、ゴムバンドの力を利用して上あごを前方に引っ張ることで、上あごの成長を促します。
メリット・デメリット
フェイシャルマスクのメリットは、成長期に上あごの成長を促すことで、あごのバランスを改善し、外科手術を避けられる可能性がある点です。また、短期間で効果が期待できます。
一方で、装置を顔に装着するため審美性が劣る点や毎日10〜14時間の装着が必要になる点はデメリットといえるでしょう。
チンキャップ
チンキャップは、下あごの過剰な成長を抑えるために用いられる矯正装置です。下あごの過成長が原因で起こる受け口の改善に適応となります。チンキャップは、あご先に固定するバンドを頭部に装着し、下顎あごの成長方向に制限をかける役割を果たします。
メリット・デメリット
チンキャップのメリットは、下顎の成長をコントロールすることで骨格のバランスを改善し、外科手術を回避できる可能性がある点です。
しかし、装着時間が長いため、子どもが嫌がる可能性がある点がデメリットとして挙げられるでしょう。また、下あごの成長抑制には限界があり、症例によっては十分な効果が得られないこともあります。
小児矯正の種類[中学生以降]
小児矯正の二期治療は永久歯が生え揃ったあとに、歯並びや噛み合わせを整えることを重視した矯正方法です。ここでは、二期治療の主な種類と、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットという小さな装置を装着し、そこにワイヤーを通して歯を動かす矯正方法です。もっとも一般的な矯正方法で、さまざまな歯並びや噛み合わせに対応できることから多くのケースで採用されています。
昨今では、透明や白色の目立ちにくいブラケットを選択することも可能です。ワイヤー矯正には、表側矯正・裏側矯正・ハーフリンガル矯正があります。
メリット・デメリット
ワイヤー矯正は、歴史ある矯正方法で複雑な症例にも対応することが可能です。マウスピース矯正と比較して矯正力が強いため、効率的に歯を動かせるメリットがあります。
しかし、表側矯正の場合、歯の表面に装置を装着するため審美性に劣る点がデメリットです。また、装置が固定式で食事の際に食べ物が詰まりやすいため、歯間ブラシやワンタフトブラシなどを使用して時間をかけて磨く必要があるでしょう。
矯正力が強いため治療中に痛みや違和感を覚えることもあります。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明のマウスピースを装着して歯を動かす矯正方法です。一人ひとりの歯型に合わせたオーダーメイドのマウスピースを一定期間ごとに交換し、徐々に歯を動かします。
マウスピース矯正で使用する装置は薄く透明なため、審美性を保ちながら歯並び・噛み合わせを整えることが可能です。
メリット・デメリット
マウスピース矯正の最大のメリットは、装置が目立ちにくい点です。また、取り外しできるため食事や歯磨きが普段通りおこなえる点も大きなメリットといえるでしょう。マウスピース矯正で使用する装置には金属が使用されていないため、金属アレルギーの心配もありません。
ただし、適応できる症例に限りがある点や装着時間を守らないと効果が十分に得られない点はデメリットといえるでしょう。
小児矯正の種類別の費用と期間
小児矯正は、大きく一期治療と二期治療の2段階に分けられます。ここでは、小児矯正の一期治療・二期治療でかかる期間と費用の目安について解説します。
一期治療の期間と費用
一期治療は、6〜12歳ごろにおこなわれる治療で、あごの成長をコントロールして永久歯が正しい位置に生えるように促します。治療期間は平均1年半〜3年ほどです。
ただし、使用する装置や治療内容、成長のスピードによって個人差がみられます。小児矯正は基本的に保険適用外のため費用は高額になるでしょう。一期治療の費用は、矯正装置の種類や歯科医院の料金設定によりますが30万〜50万円ほどが目安です。
二期治療の期間と費用
二期治療は、永久歯が生えそろった12歳以降におこなわれます。成人矯正と同様に、歯並びや噛み合わせを整えて美しい仕上がりを目指すことを目的としています。
二期治療の治療期間は2〜3年程度が一般的です。費用は60万〜150万円ほどが目安となります。一期治療で土台が整っている場合は矯正期間が短くなり、費用の負担も軽減されるケースが多いです。
小児矯正の種類の選び方
小児矯正には、さまざまな種類の矯正装置があります。以下に、小児矯正の種類を選ぶ際に考慮すべきポイントを解説していきます。
子どもの成長段階を考慮する
小児矯正で選択する装置は、子どもの歯並び・噛み合わせの状態はもちろん、成長段階によっても異なります。乳歯と永久歯が混在する時期には、あごの成長を促す装置を選択する場合が多いでしょう。
一方、永久歯が生えそろったあとは歯並びを整える治療が中心となります。子どもの成長段階を見極めたうえで、適切な装置を選択することで十分な治療効果を得ることが期待できます。歯科医師と相談してお子さんに合った矯正方法を選択することが大切です。
装置の使用感や子どもの負担を確認する
矯正装置は長期間使用するため、装置の使用感や子どもの負担を事前に確認しましょう。固定式の装置の場合は、歯磨きが難しくなるため虫歯になるリスクが高まります。
一方、取り外し可能な装置では、子ども自身がきちんと装着できるかが治療効果を左右します。治療効果を最大限引き出すためには、子どもの性格や生活習慣に合った装置を選ぶことがポイントになるでしょう。
矯正治療の費用と期間を考慮する
小児矯正は、基本的に保険が適用されないため費用が高額になります。小児矯正の費用は、選択する矯正装置や歯科医院によって異なるため、カウンセリングの際に確認することが重要です。
また、治療期間も歯並びの状態によって異なります。軽度の歯列不正であれば短期間で治療が完了するケースもありますが、重度の場合には治療に長い期間を要することもあるでしょう。費用や治療期間、メリット・デメリットを理解し、歯科医師に相談して選択しましょう。
まとめ
小児矯正で使用する装置にはいくつか種類があり、子どもの成長や歯並びの状況に応じて選択することが重要です。それぞれの特徴や治療期間、費用を理解したうえで子どもが継続しやすい方法を選択してください。
治療を始める時期や治療法でお悩みの方は、カウンセリングを受けて歯科医師に相談するとよいでしょう。適切な時期に治療を受けることで、少ない負担で歯並びや噛み合わせを整えることができるでしょう。
小児矯正を検討されている方は、福岡県直方市の歯医者・小児歯科・矯正歯科「らいふ歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯・歯周病の治療だけでなく、歯並びや噛み合わせの治療も行って健康で笑顔あふれる人生[らいふ]を送っていただけるよう努めています。0歳からの虫歯予防や小児の矯正治療なども対応しています。 当院のホームページはこちら、Web予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。